京都恋歌

しんしん雪の 大原を
二の字刻んで 逢いにゆく
忍ぶ恋路が 辛いから
逢えばあなたに 無理ばかり
橙色(だいだいいろ)に はんなりと
宿の灯火(あかり)が うちを呼ぶ
どないしよう どないしよう
野村岐(のむらわか)れの 思案道

ちくちく胸に 突き刺さる
世間みたいな 針つらら
なんぼ死ぬほど 燃えたって
どうもならへん この先は
別れなあかん 貴男(ひと)やのに
胸でほっこり 抱かれたい
すきやもん すきやもん
泣いて花尻(はなじり) 迷い橋

隠れて雪を 燃やす花
朧清水(おぼろしみず)の藪椿(やぶつばき)
どないしよう どないしよう
渡りとうない 戻り橋

どないしよう どないしよう
野村岐(のむらわか)れの 思案道
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