酒に書いた詫び状

ひとり飲むなら 見知らぬ街の
誰も知らない 店がいい
捨てた昔の ひとの心を
抱きしめながら
もっと上手に生きられたものを
飲んで飲んで 笑いつつ
ああ風になる 男の背中
酒に書いた詫び状

白いすずらん 北国の花
芯の強さを 秘めた花
ふいにこぼれた 酒の雫に
おまえが浮かぶ
もっと幸せあげられたものを
飲んで飲んで つぶやけば
ああ風になる 男の背中
酒に書いた詫び状

雨で客足 パタリとやめば
店は小さな 方舟さ
ゆらり揺られて 夢を漕ぐのさ
愚痴など吐かず
たった一度の人生じゃないか
飲んで飲んで うなずけば
ああ風になる 男の背中
酒に書いた詫び状
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