港哀歌

夜を掠める 船の灯は
女のみれんか 命灯か
雨のむこうは
いつも出船の 周防灘
遠くあなたも 行ったきり
港哀歌 波ばかり

つらいときほど お酒より
私で忘れて 欲しかった
港ネオンに
抱いて抱かれた 夢いくつ
髪のあたりの 風にさえ
思い出すのよ 恋の息

あなた叱って 私だけ
抜け出せないのよ あの日から
忘れようにも
日毎濃くなる 想い出に
夢であなたを 抱く女
港哀歌 春が逝く
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