城ヶ島夜曲

沖の潮風 便りをたのむ
三浦三崎の いとしい人へ
搗布(かじめ)焼く火の
ほのゆれ立つ あの浜へ

島の燈台 ほのめくたびに
見えてかくれる 通り矢の夜釣舟(よぶね)
なぜに届かぬ
このせつない わが想い

利久鼠の 雨降る夕べ
空に銀河の さやかな宵も
恋し三崎の
灯を眺めて 磯に佇(た)つ
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