流離 さすらい

俄か雨のようにカラッ風のように
人生は何も語らずに通り過ぎて行くのか

流離うこの身なぜ染める 茜雲(あかねぐも)
掌の中に残るものはなくっても
人を愛したか男として生きたのか
お前の問いにオレは胸を張りたい

人は人と出合い夢を結びながら
倖せにいつも背かれて空を仰ぎ見るのか

流離うこの身なぜ染める 茜雲(あかねぐも)
喜びを分ける女はいなくても
共に悲しみを分ける女はあったのか
お前の問いにオレは胸を張りたい

流離うこの身なぜ染める 茜雲(あかねぐも)
病葉と違うはずだ
もう一度風に立ち向かう心意気を持たぬのか
お前の問いにオレは胸を張りたい
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