雨の宿

女 まだまだ おさな顔
男 傷もつ うれい顔
酒のさかなに 雨の音
今夜抱くやら 帰すやら

ぽつりぽつりと 古い歌
酔いにまかせて 歌う歌
じんとしみこむ 胸の傷
ひとりひとりの古い傷

何がつらくて すすり泣く
何を信じて すがりつく
名さえあかさぬ そのうちに
灯り消したり かくしたり

傘がないから 帰れない
傘があっても 帰さない
旅の疲れを ききながら
夜明け迎える 雨の宿
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