戻り花

日暮れ間近な 山あいに
咲いてせつない 戻(もど)り花
恋の苦水 知りながら
急ぐ女は 愚かでしょうか
燃える一途な この花を
あなた優しく 包んで欲しい

谷のせせらぎ 聞きながら
夫婦(めおと)きどりの 旅の宿
湯気に紅さす 白い肌
一夜(ひとよ)とまり木 幸せ芝居
罪がまことの 夢ならば
賭けて悔(く)いない 女のいのち

山の小径に ひっそりと
咲いて淋(さみ)しい 戻り花
添い寝枕に 寄せる頬
窓の灯りが こぼれて落ちる
あなたしっかり 抱きしめて
明日(あす)の幸せ 叶えて欲しい
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