さくら貝の歌

うるわしき 桜貝ひとつ
去りゆける 君にささげん
この貝は 去年(こぞ)の浜辺に
われひとり 拾いし貝よ

ほのぼのと うす紅染むるは
わが燃ゆる さみし血潮よ
はろばろと かよう香りは
君恋(こ)うる 胸のさざなみ

ああなれど わが思いは儚(はかな)く
うつし世の 渚に果てぬ
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