その名前を

最初からそこに名前があった
いつしかそいつに意味が生まれた
争いの後の静けさに似た
穏やかで残酷な朝を迎えた

最後ならいっそ自由になれた
けれどもそれには続きがあった
残された業という十字架に
未来を切り裂く力は無かった

その名前を その心を
背負うものに どうか光あれ

身体を全部脱いだって
魂は消えてはくれない
憂鬱に軋む星の歌も
嘘が邪魔で聞こえない

両手をいくら振ったって
船は見つけてはくれない
欲望が世界中溢れ出して
流れ星の数が足りなくなった

最後まで誰も笑わなかった
一字一句間違わなかった
争う事を避け続けてきた
その代償にまだ気が付かないのかい

その名前を その心を
背負い歩く 君に幸あれ

身体を全部捨てたって
心まで亡くなりはしない
憂鬱に軋む星の歌も
過去が邪魔で聞こえない

徒党をいくら組んだって
心までまとまれはしない
シュプレヒコールのその真ん中で
誰の声も届かない

身体を全部脱いだって
魂は消えてはくれない
欲望が心から溢れ出して
流れ星の数が足りなくなった

流れ星の数が足りなくなった

最初からそこに名前があった
×