恋をしていても、いちばん“自分自身”を愛してほしい…。全5曲入り最新EP!
 2025年11月12日に“コレサワ”が4th Digital EP『あたしの恋人E.P』をリリースしました。今作には、今年9月に発表された「I LOVE ME」を含むタイアップ楽曲3曲に、未発表の新曲を加えた全5曲を収録。インタビューでは、それぞれの楽曲に込めた気持ちや、“あたし”を軸に描いた恋と愛の在り方について語っていただきました。さらに、自身にとってもっとも大事な場所だというライブや、自慢の“コレンズ”への想い、結婚や大人になることへの持論、そして“自分を愛しながら生きる”ためのメッセージも必読です。今作とあわせて、コレサワの歌詞トークをお楽しみください。
(取材・文 / 井出美緒)
あたしの恋人作詞・作曲:コレサワあたしよりもかわいい子にさ
出会わないで
君以上にも出会わせないで
ねぇ君はあとどれくらい
あたしと恋人でいてくれるの
さよならなんてさずっと先だといいな
何にも変わらないでいて
ねぇ君はあとどれくらい
あたしの恋人でいてくれるの
そんな日が突然やってきてもいいように
毎日キスさせて
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生まれ変わっても女の子がいい。

―― 2015年に全国流通盤1st E.P.『君のバンド』をリリースしてから今年で10年。自主制作でのリリース期間も含めると10年以上活動なさっているコレサワさんですが、今に至るまでのご自身のマインドを、グラフにするとどんな形になると思いますか?

基本的には、ずーっと高い位置が一本線で保たれています(笑)。スタートから自信が突き抜けていましたし、その後も「なんとかなるだろう」精神でやってきたので。でも、2020年ぐらいに一瞬、ピッと下がったんです。それはコロナ禍でライブができなくなったり、やっとツアーができるようになっても、チケットがソールドアウトしなくなってしまったりした時期で。そのときだけは、「みんなどこに行ってしまったの?」と落ち込みました。

―― コレサワさんの楽曲は「たばこ」や「♡人生♡」、「元彼女のみなさまへ」など、SNSを中心に話題になり続けていますが、そういった面にはあまり左右されませんか?

もちろん嬉しい一方で、あまりSNSの反応に左右されたくない気持ちもあるんですよ。だから、楽曲そのものがどれぐらい聴かれているかというより、ライブを目印にしているかもしれません。新しいツアーの開催を発表したら、どれぐらい応募してくださっているか毎週チェックしますし。「この会場は埋まるかな?」「大丈夫だよ!」みたいなことを常にスタッフと言い合っていて、ライブの集客のほうにかなり敏感だと思います。

あと、ライブ以外では顔を隠していることも大きいですね。もし顔出しをしていて、プライベートで声をかけられることが多かったりしたら、もう少し曲のヒットにも影響された気がしますが、まったく生活は変わらないので。自分では、「本当にコレサワを聴いているひとが増えているのかな?」と思うぐらいなのですが、友だちやまわりから反応を聞いたり、実際に私もTikTokで自分の曲が流れてきたり、そうやって徐々に実感しています。

―― TikTokでのヒットを狙って曲作りをするアーティストさんもいらっしゃいますが、コレサワさんはまったく意識されていませんね。

そうなんですよ。そもそも「♡人生♡」などはわりと前にリリースした曲で、「なんで今!?」と驚きましたし、まさかダンスがついて、あんなにバズるとは思いもしませんでした。振り付けを作ってくれた子に感謝ですね。TikTokってすごい。時代って進んでいるんだなと。それはコレサワチームもTikTokを始めるきっかけになりました。たまたまリスナーの聴きたいものとTikTokがマッチしたのもあるのかな。運がよかったなと感じます。

―― きっとファン歴の長い方からすると、「コレちゃんがみんなに見つかってしまった!」みたいな気持ちもありますよね。

まさに。お手紙でもよく、「キャパが大きくなるのは嬉しいけれど、どんどん距離が遠くなって寂しい気持ちもあります」とか、「クラスの子たちがコレサワを知っていくのが嬉しいけれど、なぜか少し寂しいです」とか、そういう声をいただきました。コレンズ(※コレサワのファンネーム)も嬉しいと寂しいが入り混じっていただろうなと思いますね。

―― でも、コレサワさんのライブに行くと、その寂しさを忘れるくらいにどの席でも距離感が近くて。

ああ! そう思っていただきたくて、去年も今年もたくさんライブをやってきましたし、これからもやります! なるべく来てくれたひと全員と目を合わせたいし、できれば多くの子とタッチしたいし、友だちの距離感を大事にしているんです。だからやっぱりライブは欠かせない。私にとっていちばん大事な場所ですね。

―― しかも、コレサワさんのライブでは、コレンズさんたちがそれぞれ自分の好きな格好をして、活き活きしている気がします。ライブが始まる前から、その空間自体がすごくかわいいんです。

本っ当にかわいいですよね。武道館ライブのときも友だちが、「九段下がピンク色に染まっているよ!」と言っていました(笑)。グッズをつけてきてくれたり、私とおそろいの髪型にしてくれたり、「普段はこういう格好できないけれど、コレちゃんのライブだからかわいい服を着ました」と言ってくれる子がいたり、みんな自分の好きなファッションを楽しんで来てくれているのが伝わってきて、すごく嬉しいんです。自慢のコレンズたちですね。

―― また、コレサワさんには様々な代表曲がありますが、歌詞面で“コレサワらしさ”が確立されたと実感した楽曲というと?

武道館ライブでも歌ったんですけど、インディーズ時代に作った「君のバンド」という曲ですね。この歌は<あたしの好きなバンドはなぜかちっともちっとも売れない 君の好きなバンドはどれもすっごくすっごく売れてる>と始まりまして。制作当時、まさに誰もコレサワを知らないし、ライブの集客もできていなくて。だけど、「こんなにいい曲を作っているのに、なんで売れないんだろう」という自負と葛藤もある時期でした。

だから、売れている音楽にしか興味がない人へのアンチと、売れてない自分や仲間たちへのエールと、いろんな気持ちを明るく歌ってみたんです。その「君のバンド」を元マネージャーの方が気に入ってくれて、今の事務所に入ることができたという経緯もありますし。悪口や文句、弱音などマイナスな気持ちも明るく歌えばポップに伝えられることを実感した曲でもあって。いろんな意味で自分らしさを見つけることができた曲だと思います。

―― かなり初期から軸が形成されていたのですね。

昔から大幅にはブレていない気がします。だからこそ、遠慮なくさまざまな気持ちを歌える。「これを歌ったら嫌われるかな?」とか、「これを歌ったらアンチが増えるかな?」とか、あまり考えずに好きなことを歌えるのが私の強みだと思います。ただ、ズーン…って悲しくなるだけの曲は個人的にはあまり好きではなくて。今作の収録曲「前髪」なんかも、別れ話をなるべくポップに歌いたいという気持ちで作りましたね。

―― そして、コレサワさんは、絶対的に女の子の味方でいてくれる安心感もあります。

私自身、女の子でよかったと思うし、生まれ変わっても女の子がいいんですよね。性別はそんなに関係なくなってきた時代ではあるけれど、やっぱり同じ“今”を生きている女の子たちが、コレサワを聴くことで、「コレちゃんについていったら、私も私を好きになることができる。自分の人生でよかった!」って思えるような曲を作ることができる存在でいたい。そういう気持ちがとっても強いです。

―― 改めてプロフィールを拝見すると、提供楽曲もかなり多いですね。

そう、意外と昔からやらせていただいているんですよね。超ときめき♡宣伝部の「最上級にかわいいの!」がお茶の間でもものすごく流れるようになったことで、よりコレサワの提供楽曲にも注目していただけるようになった感覚です。これを機に他のアーティストさんに書いた曲たちも聴いてもらえたらいいなと思っています。

―― 楽曲提供をするとき、どんなことを大事にされますか?

私自身がそのアーティストさんのファンになって、「この子が何を歌ったら嬉しいかな?」と考えること。やっぱりファンが喜んでくれないと意味がないと思うので。とき宣の「最上級にかわいいの!」も、“バズらせたい”みたいな気持ちは一切なくて。ただ、かわいい子たちが「私はかわいい!」って歌っていたら最高だな、という思いで作りました。本当にいろいろ書いてきたので、いつかはセルフカバーアルバムも出してみたいですね。

―― ご自身の楽曲を書くときとは、何がいちばん違います?

いちばんはファン層かなぁ。あとは、そのアーティストの声を想像しながら作るのが好きです。私が歌えない曲を作るほうがおもしろいので、とくに男の子に書くのは新鮮ですね。莉犬くんの「いいんだよ」とか、そうまくんの「さよならバイバイ」とかもお気に入りです。

ただ、提供楽曲であっても、私自身の「こういう女の子がいたらかわいいな」とか、「こういう男の子だったらいいのにな」とか、「別れたひとがこう思ってくれていたらいいな」みたいな気持ちはこっそり入れています(笑)。コレサワは「たばこ」以降、あまり<僕>と歌うタイミングがなくて。だから、男の子のアーティストに提供させていただくときに、思いっきり<僕>目線の歌詞を書いて楽しんでいますね。

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コレサワ
4th Digital EP 『あたしの恋人 E.P』
2025年11月12日配信
収録内容

<収録曲>
2. I LOVE ME
「ワコール」 コラボレーション楽曲
3. 前髪
いち髪「流し前髪キープコーム」CMソング
4. もうすぐ大人になっちゃうから
エスエス製薬「お守り EVE」キャンペーンソング