砂山石川さゆり | 石川さゆり | 北原白秋 | 中山晋平 | 喜多嶋修 | 海は荒海 向うは佐渡よ すずめなけなけ もう日は暮れた みんな呼べ呼べ お星さま出たぞ 暮れりゃ砂山 汐鳴りばかり すずめちりぢり 又風荒れる みんなちりぢり もう誰も見えぬ かえろかえろよ ぐみ原わけて すずめさよなら さよならあした 海よさよなら さよならあした |
冬の夜石川さゆり | 石川さゆり | 文部省唱歌 | 文部省唱歌 | ジョー・クリエル | 燈火ちかく 衣縫(きぬぬ)う母は 春の遊の 楽しさを語る 居並(いなら)ぶ子どもは 指を折りつつ 日数(ひかず)かぞえて 喜び勇む 囲炉裏火(いろりび)は とろ とろ 外は吹雪 囲炉裏(いろり)のはたに 繩(なわ)なう父は 過ぎし昔しの おもいで語る 居並ぶ子どもは ねむさ忘れて 耳を傾け こぶしを握る 囲炉裏火は とろ とろ 外は吹雪 |
うれしい雛まつり石川さゆり | 石川さゆり | サトウハチロー | 河村光陽 | 喜多嶋修、デビッド・ベンワ | 燈火(あかり)を點(つ)けましょ ぼんぼりに お花を 上(あ)げましょ 桃の花 五人囃子(ばやし)の 笛 太鼓 今日は楽しい 雛まつり お内裏(だいり)さまと お雛さま 二人ならんで すまし顔 お嫁にいらした 姉さまに よく似た官女(かんじょ)の 白い顔 金の屏風(びょうぶ)に 映る灯を かすかにゆする 春の風 すこし白酒 召めされたか 赤いお顔の 右大臣(うだいじん) 着物を着かえて 帯(おび)しめて 今日は私も 晴姿 春の弥生(やよい)の このよき日 何より嬉しい 雛まつり |
里の秋石川さゆり | 石川さゆり | 斎藤信夫 | 海沼実 | ジョー・クリエル | 静かな 静かな 里の秋 お背戸に木の実の 落ちる夜は ああ母さんと ただ二人 栗の実煮てます いろりばた あかるい あかるい 星の空 鳴き鳴き夜鴨の わたる夜は ああ父さんの あの笑顔 栗の実たべては 思い出す さよなら さよなら 椰子の島 おふねにゆられて 帰られる ああ父さんよ ごぶじでと 今夜も母さんと 祈ります |
村祭石川さゆり | 石川さゆり | 葛原しげる | 南能衛 | デビッド・ベンワ、喜多嶋修 | 村の鎮守(ちんじゅ)の神様の 今日はめでたい 御祭日(おまつりび) ドンドンヒャララ ドンヒャララ ドンドンヒャララ ドンヒャララ 朝から聞える 笛太鼓 年も豊年 満作で 村は総出の 大祭 ドンドンヒャララ ドンヒャララ ドンドンヒャララ ドンヒャララ 夜まで賑(にぎわ)う 宮の森 稔(みのり)の秋に 神様の めぐみたたえる 村祭 ドンドンヒャララ ドンヒャララ ドンドンヒャララ ドンヒャララ 聞いても心が 勇み立つ 聞いても心が 勇み立つ |
叱られて石川さゆり | 石川さゆり | 清水かつら | 弘田龍太郎 | デビッド・ベンワ、喜多嶋修 | 叱られて 叱られて あの子は町まで お使いに この子は坊やを ねんねしな 夕べさみしい 村はずれ コンときつねが なきゃせぬか 叱られて 叱られて 口には出さねど 目になみだ 二人のお里は あの山を 越えてあなたの 花のむら ほんに花見は いつのこと |
赤とんぼ石川さゆり | 石川さゆり | 三木露風 | 山田耕筰 | 喜多嶋修 | 夕焼け小焼けの赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か 山の畑の 桑の実を 小籠(こかご)に摘んだは まぼろしか 十五でねえやは 嫁に行き お里のたよりも 絶えはてた 夕焼け小焼けの 赤とんぼ 止まっているよ 竿の先 |
みかんの花咲く丘石川さゆり | 石川さゆり | 加藤省吾 | 海沼実 | ジョー・クリエル、喜多嶋修 | みかんの花が 咲いている 思い出の道 丘の道 はるかに見える 青い海 お船がとおく 霞んでる 黒い煙を はきながら お船はどこへ 行くのでしょう 波に揺られて 島のかげ 汽笛がぼうと 鳴りました 何時か来た丘 母さんと 一緒に眺めた あの島よ 今日もひとりで 見ていると やさしい母さん 思われる |
ずいずいずっころばし石川さゆり | 石川さゆり | わらべうた | わらべうた | デビッド・ベンワ | ずいずい ずっころばし 胡麻味噌(ごまみそ) ずい 茶壷に追われて トッピンシャン 抜けたァら ドンドコショ 俵の鼠(ねずみ)が 米食(こめく)って チュウ チュウ チュウ チュウ お父(と)さんが 呼んでも お母(か)さんが 呼んでも 行(い)きっこなァしよ 井戸の周(まわ)りで お茶碗欠(か)いたの誰(だァれ) ずいずい ずっころばし 胡麻味噌(ごまみそ) ずい 茶壷に追われて トッピンシャン 抜けたァら ドンドコショ 俵の鼠(ねずみ)が 米食(こめく)って チュウ チュウ チュウ チュウ お父(と)さんが 呼んでも お母(か)さんが 呼んでも 行(い)きっこなァしよ 井戸の周(まわ)りで お茶碗欠(か)いたの誰(だァれ) |
花かげ石川さゆり | 石川さゆり | 大村主計 | 豊田義一 | 喜多嶋修、ジョー・クリエル | 十五夜お月さま 一人ぼち 桜吹雪の 花かげに 花嫁すがたの お姉さま くるまに揺られて 行きました 十五夜お月さま 見てたでしょう 桜吹雪の 花かげに 花嫁すがたの 姉さまと お別れおしんで 泣きました 十五夜お月さま 一人ぼち 桜吹雪の 花かげに 遠いお里の お姉さま わたしは一人に なりました |
朧月夜石川さゆり | 石川さゆり | 高野辰之 | 岡野貞一 | デビッド・ベンワ | 菜の花畠に 入日薄れ 見渡す山の端(は) 霞深し 春風そよ吹く 空を見れば 夕月かかりて 匂い淡し 里わの火影(ほかげ)も 森の色も 田中の小道を 辿る人も 蛙(かわず)の鳴く音(ね)も 鐘の音(おと)も さながら霞める 朧(おぼろ)月夜 |
花石川さゆり | 石川さゆり | 武島羽衣 | 滝廉太郎 | デビッド・ベンワ、喜多嶋修 | 春のうららの 隅田(すみだ)川 のぼりくだりの 船人(ふなびと)が 櫂(かい)のしずくも 花と散る 眺(なが)めを何に 喩(たと)うべき 見ずやあけぼの 露浴(あ)びて われにもの言う 桜木を 見ずや夕ぐれ 手をのべて われさしまねく 青柳を 錦織(お)りなす 長堤(ちょうてい)に 暮るればのぼる おぼろ月 げに一刻も 千金の 眺(なが)めを何に 喩(たと)うべき |
花嫁人形石川さゆり | 石川さゆり | 蕗谷虹児 | 杉山長谷夫 | 喜多嶋修 | 金襴緞子(きんらんどんず)の 帯(おび)しめながら 花嫁御寮(ごりょう)は なぜ泣くのだろう 文金(ぶんきん)島田に 髪結(かみゆ)いながら 花嫁御寮は なぜ泣くのだろう あねさんごっこの 花嫁人形は 赤い鹿(か)の子の 振袖着てる 泣けば鹿(か)の子の たもとが切れる 涙で鹿(か)の子の 赤い紅(べに)にじむ 泣くに泣かれぬ 花嫁人形は 赤い鹿(か)の子の 千代紙衣装(いしょう) |
カラスの赤ちゃん石川さゆり | 石川さゆり | 海沼実 | 海沼実 | 喜多嶋修、デビッド・ベンワ | カラスの赤ちゃん なぜなくの こけこっこの おばさんに あかいおぼうし ほしいよ あかいおくつも ほしいよ と かあかあ なくのね めえめえやぎさん なぜなくの おさとの かあさんに おねむに なったのよ あまいおっぱい ちょうだいね と めえめえなくのね まいごの鳩さん なぜなくの みみずく おじさんに 夜道は こわいよ ほおずきちょうちん かしとくれ と ほろほろなくのね |
雨降りお月石川さゆり | 石川さゆり | 野口雨情 | 中山晋平 | ジョー・クリエル | 雨降りお月さん 雲の蔭 お嫁に行くときゃ 誰とゆく 一人で傘(からかさ) さしてゆく 傘無いときゃ 誰とゆく シャラシャラ シャンシャン 鈴つけた お馬にゆられて ぬれてゆく いそがにゃお馬よ 夜があけよう 手綱(たづな)の下から チョイと見たりゃ お袖でお顔(かお)を かくしてる お袖はぬれても 乾(ほ)しゃかわく 雨降りお月さん 雲の蔭 お馬にゆられて ぬれてゆく |
証城寺の狸囃子石川さゆり | 石川さゆり | 野口雨情 | 中山晋平 | 喜多嶋修 | しょ しょ しょうじょうじ しょうじょうじの 庭は つ つ 月よだ みんなでて こいこいこい おいらの 友だちゃ ポンポコポンノ ポン まけるな まけるな おしょうさんに まけるな こいこいこい こいこいこい みんなでて こいこいこい しょ しょ しょうじょうじ しょうじょうじの 萩(はぎ)は つ つ 月よに 花かざり おいらも うかれて ポンポコポンノ ポン |
俵はごろごろ石川さゆり | 石川さゆり | 野口雨情 | 本居長世 | 喜多嶋修 | 俵はごろごろ お倉に どっさりこ お米が ざっくりこで ちゅうちゅうねずみは にっこにこ お星さま ぴっかりこ 夜のお空に ぴっかりこ いねむりごろごろ 舟こぎ ぎっちんこ こげこげ こっくりこで おやおや お目目は ぱっちりこ ちょうちん ぽっかりこ 鼻のちょうちん ぽっかりこ 雷ごろごろ いなずま ぴっかりこ 夕立ち ざんぶりこで 洗濯 びっしょりこ お庭も びっしょりこ 雨でお庭も びっしょりこ |
故郷石川さゆり | 石川さゆり | 高野辰之 | 岡野貞一 | ジョー・クリエル | 兎おいし かの山 小鮒(こぶな)釣りし かの川 夢は今も めぐりて 忘れがたき 故郷(ふるさと) 如何(いか)にいます 父母 恙(つつが)なしや 友がき 雨に風に つけても 思ひ出(い)づる 故郷 志を はたして いつの日にか 帰らん 山は青き 故郷 水は清き 故郷 |