やせっぽっちのカラス

やせっぽっちのカラスが啼いていた
世知辛い時代になったねと
あたしはあんたの手を握り
夕焼け小焼けの帰り道

くだらない話が楽しくて
どこにでもあるような幸せで
それでもふたりが一番で
可笑しなもんだね世の中は

つまづいて転んで擦りむいた夢
いまだにバカみたいに
抱きしめながら

ずっとしがみついて
明日にしがみついて
笑って泣いて笑って

だけど答えはわからなくて
やっぱり意地を張って
生きて生きて生きて

東京の空よ真っ赤な空よ
ふたりの明日を照らしておくれ
ふたりの明日を照らしておくれ

時代遅れの歌ばかり歌ってた
あんたのギターが好きだった
下北 客はわたしだけで
それでも本気で歌ってたね

たまにはすき焼きでも食べようかと羽振りよく
あんたは急に言い出して
ブックオフにギターを売ったんだと
笑うあんたをひっぱたいたね

一度決めたことを捻じ曲げないのも
あんたのことだから仕方ないけど

どうか終わらないで
このまま終わらないで
ずっとずっとあんたと
どうにもならないことだらけで
人生はそんなもんで
だからいつかきっと

東京の街よ嘆くカラスよ
お前はどこまで飛んでいくの
どこか遠い場所に答えがあるなら
ふたりをこのまま導いておくれ
ふたりをこのまま導いておくれ
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