熱き血汐~与謝野晶子「みだれ髪」他詩集より~

熱き血汐~与謝野晶子「みだれ髪」他詩集より~

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雪より白い やわ肌の
けもののような 血が哀し
百日ぶりの 嬉しさに
書物(ほん)をかさねて 恋まくら
やがては崩れる 書斎(へや)のすみ
すがるま昼の みだれ髪

今さら道徳(みち)を 説かれても
両手で耳を ふさぎます
誰かにあなた 迷うなら
毒をからめた 蜜をぬり
くちびる合わせて 添寝する
ついて行きたい どこまでも

見送る肩に 散る花の
夜風にはらり 名残り紅
罪の子抱いた はたち妻
惜しむ別れを 枝折戸(しおりど)が
ふたりとひとりを 切り離す
心もつれる みだれ髪