幽霊

幽霊

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幽霊はいると思う
と夏になる度に思う
軒先で呼ぶ声が
風鈴のように

青い空
悪いことしてるみたいだ
水溜りに夏が
反射していた

それは瞬間のように
あるいは永遠のように
降り止んだ小雨のように
単色の花火のように
遅効性の毒のように
君の描いたぼくのように
光差す名画のように
やわらかく いとしい

いかないで 夏の幽霊
またねと別れた
未来を今でも
待ち侘びて 待ち侘びて
どんなに見かけが
大人になってもね

幽霊はいると思う
霊感はないけれど思う
通り過ぎる夕暮れが
必然のように

また一つ また一つ
君のかけらを灯していく
幽霊はいると思う
と、夏になる度に思うんだ

なあ、夏の幽霊
君のダサい笑い方が
好きだったな
その全部さ
忘れちゃうかな
頼むよ
もう急にいなくなんなよな

それは錯覚のように
夜に編む夢想のように
本で読む史実のように
造花の有り様のように
つまらないドラマのように
破れた約束のように
色褪せた写真のように
やわらかく いとしい

「いかないで」

いかないで 夏の幽霊
またねと別れた
未来を今でも
待ち侘びて 待ち侘びて
どんなに見かけが
大人になってもね

また一つ また一つ
君のかけらが眠っていく
軒先に風鈴の音
両手には線香とライター

またね 君の幽霊
忘れたりしないぜ
全部忘れてしまってもね