いつかの君へ

いつかの君へ

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窓際に置いた空のままの花瓶が
役目を終えたような顔をして
外を流れゆく何度目かの
季節を見送った

何も言わずに手渡した花束も
今考えても柄じゃないよな
言葉一つに結べるほど些細なものでも
簡単なものとも思いはしないけど

きっとドラマみたいに
気の利いた再会はないから
今だってこの胸には君がいる
映画みたいに美しい結末なんてないまま
こうやって足を止めているんだ

変わらない街のどこにいても
その面影を重ねてしまうばかりで
駅前の花屋 好きだったよなあって
口元に溢れた

誰かが言った「あの頃は良かった」なんて
くだらない、と笑えないのはいつからだろう
ああ、知りたくなかった

いつか全て忘れて
消えていくのがそうだと言うなら
この先も思い出にはしたくない
時を超えても褪せない不朽の名画のように
いつだってこの心にあるから

ドラマみたいに
気の利いた再会はないから
今日だって想えば張り裂けそうで
もしもあの日の君へと
何か一つ言えるなら

きっとドラマみたいに
気の利いた台詞は言えないけど
よく聞いて 一度しか言わないから
映画みたいに美しい結末なんてなくても

「君に会えて良かった」