はりつめた音楽を震わせて 弦が切れる
現れる怪げな企みを振りほどいた
過ぎ去る日々 私は歌わない
音もなく傾いた風景を 胸に抱いて
華やかな楽園をかけぬける 息をひそめ
過ぎ去る日々 私は歌わない
泡だつ孤独の飛沫が
瞼を冷たくぬらした
黄昏の砂に抱かれて眠る
ひとすじの愛を記憶にとどめながら
暗闇の鍵穴は 噴き出した光の井戸
手をのばしそのドアに触れる時 風が起る
祈るように すべてを開け放つ
不思議な眠気に誘われ
私はあなたを見つめる
甘くうらはらな言葉の背後で
瞳はつぶやきそして 奇蹟はこない