三の酉まである年は
なぜか寒いねとあなたは
自分のコートをいきなり脱いで
私の背中にかぶせてくれた
人波に押されつまずくたびに
もしかしたなら このまま私
倖せにまぎれ込めそうと
あなたの袖をはなさなかった
浅草うまれの君だから
祭りが似合うねとあなたは
一番ちいさな熊手をひとつ
私のてのひら乗っけてくれた
言問橋をゆきかう人に
もしかしたらこのまま私
倖せの橋を渡れそうと
耳打ちをして 教えたかった
言問橋をゆきかう人に
もしかしたらこのまま私
倖せの橋を渡れそうと
耳打ちをして 教えたかった