若者と小犬とクロアサン

若者と小犬とクロアサン

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重いこころで 若者は
わびしくひぐれの 町へ出た
長くてやせてる 影法師
ふりむく人など 誰もない

ひとりぽっちの 靴音が
耳から胸へと 聞こえてる
柳に話を しかけたが
からだをくねらせ 横向いた

ハデな通りは ごめんだと
横町へはいって ひとやすみ
右手に持ってた クロアサン
ガブリとかぢって 月をみた

足を何かに つつかれて
ふとみりゃ巻毛の 犬がいる
見あげたその目は ぬれている
抱いたらたちまち キスときた

キスをかえして 若者は
今日から二人と つぶやいた
しっぽに合わせて うれしさと
泪がやたらに わいてきた