銀座で三軒、赤坂で一軒、六本木で飲み直して二軒、いつものように明方
近く屋敷に帰ったんです。屋敷は高級住宅街といわれる
田園調布にありますが門の近くで若い女をひろったんです。
よく見るとこれがいい女なんです。
そこからドラマは始まった
女は女は泣いていた
生まれもいいし、育ちもいいし、お付き合いするのがなんだかこわいわ
なんていろんな女に言われます。
でもそれは私の扉ではないんです。おじいさまの代までハクシャクだった
家柄のせいなんです。そんな私がなぜかこの女と暮らす事にしたんです。
上流社会で暮らせると女は喜んだ
あなたに似合いの上品な女に
なれますでしょうかとふるえていたよ
本当の事言うと今迄の話はみんなでたらめなんです。
仕事に疲れてトボトボと錦糸町のアパートに帰る時
おなかをすかせて泣いていた
三毛猫を一匹ひろっただけなんです。
この猫が妙になついちゃってネ
三畳一間でよかったら
おまえと一緒に暮らそうよ
東京っていう街は一人じゃさびしいし夜は寒いですからネ、
田舎から出てきてずいぶんたちますが
三毛猫一匹だって一緒にいるととってもあったかいですからネ。
何かこう心がかよってくるんですよ。
この三毛猫逃げなきゃいいんですがネ。
今夜もメザシでわるいけど
お前と仲良くたべような
広い東京のかたすみで
心豊かに暮します 男が一人