人気アニメ『進撃の巨人』の前期/後期オープニングテーマのお披露目とトークを盛り込んだツアーの最終公演。まず幕開けを飾ったのは、前期オープニング曲「紅蓮の弓矢」。TVサイズでは表現しきれない部分を詰め込んだものがパッケージであるなら、それを再現するのがライヴ。しかも、バンドメンバーはSIAM SHADEの淳士(Dr)などの凄腕プレイヤーばかり。威風堂々としたサウンドは、より勇ましさと力強さを増し、そのダイナミックなバンドグルーブでもって会場を埋め尽くすファンを瞬く間に高揚させたことは想像に容易い。2曲目は“鎖地平団”団長ことRevoのニューギター“Flying Freiheit”がその姿を見せた、後期オープニング曲「自由の翼」。西山毅とYUKIの超絶テクのツインギターだけでも聴き応え十分なのに、そこにRevoも加わり幽玄なユニゾンを聴かせた。そんな壮絶な2曲の後に披露されたのは、柳麻美をフィーチャーした壮大なバラード「もしこの壁の中が一軒の家だとしたら」。わずか3曲で『進撃の巨人』の世界を壮絶に表現してみせたのだった。その後、同アニメのプロデューサー木下哲哉氏を招いての音楽・音響効果に関するトーク、後期エンディングテーマを担当しているゲストのcinema staffのライヴ、さらに出演者全員による同アニメを題材とした川柳コーナーをはさみ、再びLinked Horizonのライヴへ。前作「ルクセンダルク小紀行」からの楽曲や本体であるSound Horizonのナンバーで完全燃焼し、最後は会場全体で「紅蓮の弓矢」のカラオケを熱唱し終幕。Revoも“進撃、最高!”と何度も叫んでいたが、Linked Horizonを通して『進撃の巨人』の世界を、逆に『進撃の巨人』を通してLinked Horizonの魅力を満喫した一夜だった。
さらに終演後、Sound Horizonが10月9日に3年ぶりに新作をリリースし、10月26日には“Revo's Halloween Party”と銘打ったライヴをさいたまスーパーアリーナで開催することがアナウンスされた。Sound Horizonの新章の幕開けに、客席から歓喜の歓声が沸き起こったことは言うまでもないだろう。