今年もまだ2月だが、私的・年間ベスト3に入るほど凄まじいショウだった! Ken Yokoyamaの5thアルバム『Best Wishes』レコ発ファイナルは、立錐の余地なき満員状態である。オープニングはKEN BANDのJun Gray(Ba)がBAD MESSIAHというバンドでともに活動していたTAISEI(Vo)率いるSAが務め、男気漲るパンクロックを叩き付けた。40分ほど転換時間が空き、Ken(Vo&Gu)が“WE ARE FUCKIN’ONE”と書かれた日本の旗を持って現れ、その文字タイトルを冠した新作の1曲目で火蓋を切った。それから「You and I, Against The World」「Soul Survivors」を含む全12曲がノンストップで駆け抜ける。一枚岩で攻めてくる怒涛の勢いはまるでハードコアバンドであり、重戦車のごときグルーブ感に体の震えが止まらない。しかも、Kenは演奏中に観客に向かって、何度もマイクを放り投げる(マイク投げ9回、手渡し1回)。一緒に歌ってほしい、お前たちの声を聞かせてくれ...いや、言いたいことがあるなら主張しろ!と聴く者を焚き付けるメッセージにも受け取れた。Matsuura(Dr)のヌードショウなど、クダけた場面がなかったわけではないが、全体のトーンはKEN BAND史上最高にシリアスなものだった。個人的なハイライトは中盤に披露された「This Is Your Land」で、Kenは“オレは日本が大好きだ!”と告白し、会場には日本の旗が無数に舞う。その光景を見て、心から美しいと感じた。この夜、Ken Yokoyamaという男の魂に初めて触れた気がして、興奮状態はずっと収まらなかった。