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LIVE REPORT

ランクヘッド

ランクヘッド SHIBUYA-AX

2007年06月03日
@SHIBUYA-AX

今年3月に行なわれた地元の愛媛県新居浜市での無料ライヴ、5月のゲストにTRICERATOPSを迎えての新宿ロフト、と続いてきた『マーモット!!』シリーズの最終章となるSHIBUYA-AX単独公演。メジャーデビュー曲の「白い手」でスタートし、インディーズの頃から7年間歌い続けている「僕と樹」や発売前のニューアルバム『FORCE』からの曲もプレイされ、ある意味で集大成的なライヴだった。その中でも特に印象的だったのがニューアルバムからの「僕らは生きる」だ。 “自分が弱音を吐いたら全てが終わってしまう気がして、ひとりででも立ってなきゃいけないって思っていました。でも、昨年秋ツアーに出てみて、みんなの顔を見たら、俺がしんどいんやったら、頼ってもええんやないかなぁと、みんながそう言ってくれよる気がして、それで思ったことを曲にしてみました” ...と小高 芳太朗(Vo&Gu)が話した後に披露されると、歌に入る前に“もともと4本足だった俺らがわざわざ2本足で立ったんは、余った両手で誰かと手を取り合うためなんじゃないんかなと思います”という語りの部分を叫び、切々と歌い上げる彼のヴォーカルから、曲に込めた想いが痛いほどに伝わり、それに呼応するように心が震えた。自分の弱さやカッコ悪さ、情けない部分も全て出しているからこそ、裸の彼が浮き彫りとなり、歌がこんなにも説得力を持つのだろう。もちろん、自分をさらしているのは小高だけではない。メンバー全員がそういう気持ちでステージに立っている。石川 龍の打ち鳴らすダイナミックなドラムのビート、合田 悟の弾くずっしりとしたベースのグルーヴ、山下 壮の様々な音を操るエフェクティブなギターアプローチ...それらは言葉を持っていないものの、彼らの想いと直結しているのだ。つまり、そんな4人の感情がひとつになったものが、このバンドサウンドなのである。そして、ライヴというシチュエーションは、楽曲をよりリアルに、より人間臭くさせるということは、今さら言うまでもない。“迷い苦しみ僕らは生きる”というシンプルでストレートな歌詞に何度も涙しそうになったのは、僕だけではないはずだ。その証拠に、初めて人前で演奏されたにもかかわらず、エンディングの“ララララ~”というフレーズで大合唱となり、これ以上ないほどに会場がひとつになっていた。