“元旦のカウントダウンライブでメジャーデビューを宣言して走り抜けてきた2008年はゴーストノートのデビュー元年です!”。MCでそう語った佐藤慎治(Ba&Cho)。今ツアーはタイトルに銘打った通り、11月にリリースされたシングル「I、愛、会い」を引っ提げたものでもあり、このライヴはリリースツアー、デビュー元年締め括りツアーとふたつの意味を持ったダブルメモリアルワンマンとなった。 ステージに上がった大平伸正(Vo&Gu)はまず声を張り上げ“今年も一年ありがとう! 僕らの気持ちを伝えにきました! よろしく!”と語り、ギターを鳴らし出す。1曲目は「ラブソング」だ。一発で聴く者を虜にするキラキラキャッチーなメロディーが会場中に炸裂し、オーディエンスは一気に腕を掲げ跳ね出す。続くは彼らのメジャーデビュー曲である「スタート」。3曲目では早くも“新曲やります!”と、「サディスティック サイエンティスト」を披露。新曲だからってお構いなし! とばかりに会場は爆走チューンに沸騰するのだった。ゴーストノートの楽曲は聴いていて本当に気持ち良い。エレクトロなロックが今の時代の潮流としてあふれ出している今のロックシーンに、彼らは変わらぬスタイルで自らのロックを鳴らし続けている。極上のメロディーはずっと聴いた人の心に生き続けるような力を持っていて、そのメロディーに乗った歌詞は勇気を持たせてくれる。それが大平が冒頭で語った“僕らの気持ち”なのではないだろうか。ましてやライヴという接近戦ではメンバー3人の感情がダイレクトに伝わってくる。オーディエンスはバラードの「シスター」では静かに聴き入り、口ずさんだり、「キラキラキラ」で軽快なリズムにクラップしたり、“僕らとみんなのこの空間が素晴らしき世界です”と大平が語った「素晴らしき世界へ」では踊ったり...それぞれの曲で3人から受け取ったまま気持ちのままに応えていた。 終盤では“この曲があったから、このステージに立てました!”という言葉から「I、愛、会い」へ。本当にうれしそうな顔で手拍子をするファンの顔が印象的だった。そして、ラスト「最終列車」では曲に入る前に佐藤が“みんな、ごめん! アンコールはしません! この曲に全てを込めるから!”と語る。“え~”という不満の声を漏らすファンだったが、演奏が始まると曲中ずっと腕を左右に降り続ける。大平が“一緒に歌って”と投げかけ、最後は“さよなら 最初で最後の人”というシュプレヒコールが会場中に響き渡るのだった。 この日のライヴ中盤では2ndシングル「精一杯、僕らの歌」を引っ提げて行なわれた『精一杯、僕らのインストアライヴの旅』でファンによる寄せ書きがびっしり書き込まれたフラッグを掲げ、大平が“みんなも書いてください! それを武道館に持って行くんで! んで、その後また、SHELTERでライヴします! 絶対!”と叫んだ。夢の舞台である武道館を目標としながらゴーストノートはアルバム『アイデンティティー』を引っ提げたツアーを4月17日の広島ナミキジャンクションから敢行する。この日のライヴが終わり、SHELTERの階段では冷たい風が吹く中、ファンがフラッグに寄せ書きを書いていた。そのファンの想いがデビュー2年目となる2009年、そしてその先も吹き続ける温かい風になることだろう。その風に乗って一気に音楽シーンを駆けていってほしい!