Uta-net

ライブレポート

検索

メニューを開く

LIVE REPORT

tacica

tacica SHIBUYA-AX

2009年09月12日
@SHIBUYA-AX

最新アルバム『jacaranda』とともに各地を賑わしたツアーも東名阪の追加公演を残すのみ。本アルバムから受けるエネルギーも大きかったが、実際に彼らが演奏する姿を目の当たりにすると、想像以上の迫力に身震いすら感じてしまった。この空間にいる人間ひとりひとりを突き刺すバンドサウンドが心地良い緊張感を持っていて、独特の雰囲気を作り上げていたのだ。あまり多くを語らないMCや、ゆったりと流れるしばしの沈黙が、“tacicaのライヴを観ているんだ”といった実感となり、気の引き締まる思いになる。が、ひとたび曲が始まれば、爆音が鳴り渡り、体内の奥底まで重低音に支配され、吐露された彼らの真情が響いてきた。ありのままの姿でぶつかってくるバンドだからこそ、歌詞に込められた想いがダイレクトに伝わってくる。その中でも、「アトリエ」のおどろおどろしたイントロと猪狩翔一の研ぎ澄まされた歌声が印象的だった。リズムアプローチが素晴らしい「人鳥哀歌」で会場の堅い結束力を感じ、本編を締め括った「γ」では真っ白な気持ちで聴き入っている自分に気付いた。
アンコールでは、tacica主催イベントの『09三大博物館』が12月に行われることを発表。さらに、東京公演はZepp Tokyoという今回よりも大きな会場でTRICERATOPS 、フジファブリックが参戦するとのこと。次に観る時、tacicaはどんな変貌を遂げているのだろうか? そんなことを考え出したら、ライヴが終わってもこのワクワクは止まりそうにない。