2023年12月23日、木原瑠生が1st EP『COLORS』(12月20日発売)のリリースを記念したワンマンライヴ『RUI KIHARA 1st EP COLORS Release LIVE』を東京・渋谷ストリームホールで行った。
2020年に『魔進戦隊キラメイジャー』の射水為朝/キライメイエロー役で人気に火がつき、2021年5月にシングル「お願い神様」でソロデビュー。23年は3月に6年間在籍した劇団番町ボーイズを卒業し、4月に開幕した『ミュージカル『刀剣乱舞』 〜花影ゆれる砥水』で、へし切長谷部役を好演。7月には東京・代官山UNITで2ndワンマンライヴ『NEXT HEROも開催するなど、俳優、音楽ともに活動の幅を広げた1年となった。
そんな1年の締め括りとなるEP『COLORS』の発売と23日のリリース記念ライヴ。オープニングナンバーは新作に収録されている「ネオン・シティ」。木原がステージに登場すると大きな歓声が鳴り響き、艶っぽい歌声に観客は酔いしれる。2曲目はソロデビュー曲の「お願い神様」。“Are You Ready?”と呼びかけ、エモーショナルな歌声でさらに会場をアツくさせていった。序盤からしっかりと“木原ワールド”を築き上げた彼は、2曲を歌い終わったところで“みなさん、元気ですか?”と改めて挨拶をし、“今日は23日、クリスマスイブイブですよ。大丈夫ですか? ここにいて”と言って場を和ませた。
“このあとも何曲かやらせてもらいますけど、懐かしい曲とかもあります。後ろのほうも見えてますよ。端から端まで、前から後ろまで届くようにパフォーマンスしますのでよろしくお願いします!”と話し、“それでは聴いてください。「弾丸Shooting Star』”と曲振りをするとまたまた大きな歓声が。この曲は、射水為朝のキャラクターソングということで、ファンは黄色のペンライトで応援。一気に会場が黄色に染まる。バラードの「愛してた」では、甘い歌声でしっとりと歌い上げ、観客全員がうっとりと聴き入っていた。
「架け星」では、木原の歌に合わせてダンサーのShuNがコンテンポラリーダンスを披露し、楽曲の世界観を巧みに表現した。ShuNは“「架け星」が大好き過ぎて。それで生声で踊らせていただけるって...これで明日死んでしまうかも!?(笑) ”とこの曲への強い想いを明かした。今回のライヴに参加したダンサーはふたり。この「架け星」が大好きなShuNと、YUKI.adi。ふたりともミュージカル『刀剣乱舞』で共演している。YUKI.adiも“1曲目からみなさんの瑠生くんへの愛がめちゃめちゃ伝ってきて、それをちょっとだけ僕らももらいながら頑張ってます。この後も僕ら踊らせていただくので、“光るやつ”を僕らにもっともっと見せてください”と呼びかけ、会場から温かい拍手の音が響いた。
“僕は高校入学前に初めてオーディションを受け、“歌手になるんだ!”と志して今に至るわけです。約10年ですね、今25歳なので。僕の好きな言葉“四半世紀”ですよ(笑)。好きだからこそやってこれたというのもありますけど、これまでにいろいろありました。グループの人数と観客の人数が比例しないような少ない時もあってメンタルは鍛えられましたね。それでも諦めずに歌ったり、お芝居したり、それでこんなにたくさんの方に来ていただけるようになって、やってきた良かったなって思えた年でした。なので、来年以降も頑張っていかなきゃなって”とこれまでの活動を振り返りつつ、満員のフロアを見て、感慨深げに語った。そして、“その時の不屈の精神というか、野心も今はあるわけですよ。それを絶やさずにこれからも頑張っていかなきゃなっていう想いを込めて作った曲です。僕の夢が詰まっています”と紹介し、「鼓動」を披露。
パワフルなサウンドとそれに負けない力強い歌声で聴かせるナンバーで、B’zの大ファンだという木原のロックな一面を上間見ることができた。曲の途中で“苦しくて、頑張んなきゃいけない時ってたくさんあると思うんですよ。だからこれからも一緒に生きていきましょう!”と呼びかけるなど、ポジティブさ溢れるパフォーマンスがみんなに元気をあたえてくれた。続く、銀河団 from 劇団番町ボーイズ☆の「愛しても恋しても」では伸びやかな歌声でファンを魅了。
ライヴも終盤を迎えた時、“EPを出す前、今年に入った頃に、歌を続けるか続けないかという問題が僕の中にありました。僕の気持ちとしては“すごくやりたい”というのがあるんですけど、いろんな事情があったりしますし、そんな中でマネージャーと話しました。マネージャーは僕にその選択を与えてくれて、それがすごく有り難かった。そこで“なんとか続けていきたい”と思って、今回これで頑張っていこうって。12月20日のEPの発売日や今日のライヴの開催するにあたって、楽しみもあったんですけど、その反面、めちゃくちゃ不安もあって。今まで続けてきたものって何だったんだろう?って”と、順調に見えていた2023年の活動の中で、木原自身が抱えていた不安や葛藤を吐露。
“僕を歌い続けさせてくれて、この場に立たせてくれているのは、もちろん自分がやるって決めたこともそうだし、いつも一緒にいてくれるマネージャーの言葉もそうだけど、こうやって会場に観に来てくれたり、配信で見てくれたり、ずっと応援してくれてるみなさんのおかげで、言葉だけでは伝えられない部分があるんですよね。だから、これからも歌を歌っていくことが僕にとっての皆さんへの感謝の気持ちです。いつもありがとうございます!”と、想いの丈を伝える中で、思わず胸がいっぱいになり涙がこぼれ落ちそうになる場面も見られた。
涙を堪えて言葉を伝えた木原に、ファンから“頑張れ!”という温かい言葉が掛けられ、“頑張れと言われてヒーローは立ち上がる!”と笑顔で返す木原。次の「イチゴイチエ」の歌唱中にも感極まり、歌えなくなると、ファンたちが合唱してしっかりとフォローした。“こんなに泣く予定じゃなかった。歌えなくなるほどにね(笑)。“何泣いてんだよ”って感じですけど、何度も言いますけど、僕にとってのヒーローはみなさんなんで、これからもよろしくお願いします!”と感謝の気持ちを伝えて本編が終了。
アンコールでは、ファンと記念撮影を行ったが、そのカメラマンがなんと、木原が所属するグループ・Love Harmony’s Inc.のメンバーでもあるRyoTracksだった。サプライズゲストのRyoTracksのビートボックスとともにラストは「Today’ Tune」を披露。
“濃密な一日になったというか、僕にとって本当に素敵なクリスマスプレゼントになりました。ありがとうございます。サンタさんっているもんなんですね。とにかくこれからも好きなものを追いかけたり、夢を追いかけたりしていきます。アーティストとしての木原瑠生だったり、役者としての木原瑠生だったり、いろんな見方はあると思いますけど、全てが僕だと思っております。これからも出す曲もその時の自分だし、今回のEPは過去にはなるけど、過去になった曲もその時の僕なので、これからも応援よろしくお願いします。そしてみなさんには本当に感謝しています。ありがとうございます!”と元気に笑顔を見せて、リリース記念ライヴを締め括った。
歌とダンス、そして幅広いジャンルの楽曲たち。かっこいい姿から涙が溢れて全て曝け出した姿まで、木原瑠生のアーティスト性、人間性が伝わってくるライヴだった。2024年、どんな活躍を見せてくれるのかが楽しみだ。
撮影:RyoTracks/取材:田中隆信
木原瑠生
キハラルイ:1998年9月15日生まれ、東京出身の俳優、シンガーソングライター。男女混合歌唱グループ・Love Harmony's, Inc.のメンバーでもある。2020年から21年にTV放送されたスーパー戦隊シーズ『魔進戦隊キラメイジャー』の射水為朝(キラメイイエロー)役で、子どもから大人まで幅広い層の人気を博し、23年はミュージカル『「刀剣乱舞」~花影ゆれる砥水』にて人気キャラクター・へし切長谷部を好演。さらに、自身の武器でもある歌声で人気に火を付ける。同年7月に東京・代官山UNITで開催した2ndワンマンライヴ『NEXT HERO』はチケットがソールドアウト。12月20日にソロ1st EP『COLORS』を発表し、23日にはリリースイベント『RUI KIHARA 2023th Christmas Party~クリスマスが終わったらもう年越しです~』とワンマンライヴ『RUI KIHARA 1st E.P COLORS Release LIVE』を東京・渋谷ストリームホールで開催する。24年3月には、Love Harmony's, Inc.で東京・Zepp Haneda(TOKYO)にてワンマンライヴを控えている。