シングル「TATTOO」を引っ提げての東名阪ツアーの最終日。同シングルの取材時に“12012の決意を象徴する曲ができた”と語っていただけに、まさに今後の彼らの姿勢が垣間見れるライヴだった言える。「vomit」で始まり、本編ラストの「薄紅と雨」まで約1時間。川内 亨(Dr)の誕生日を祝うサプライズ企画もあったアンコールを含めても2時間弱。しかし、十分に観応え、聴き応えがあった。ある意味、それが「TATTOO」で示した決意の結果だ。
ライヴは1曲目からアグレッシブに攻め立てたが、このオープニングを飾った「vomit」からして曲者だった。攻撃的ではあるものの重厚なグルーブで客席を揺るがすナンバーであり、のっけからディープな音空間を作り上げたのである。そして、その後も狂気性と緊迫感を秘めたグルービーなナンバーが続き、各パートの饒舌なアンサンブルでもってオーディエンスをさらなる音の深層へといざなっていく。そんな世界を構築するためなのか、あえて最近の華やかな楽曲を排除するかのように、ヒステリックかつヘヴィなインディーズ時代のナンバーが多くプレイされたことも特筆すべきところ。もちろん、それは原点回帰や初期衝動の再燃などではない。そのことは中盤で披露された「TATTOO」の5人が放つ音像と感情が絡み合うドラマチックな展開が物語っている。今年1発目のライヴでも“2010年は濃厚をテーマにやっていこうと思っている”と言っていたが、このスタイルが彼らの現在進行形なのだ。夏に控えている全国ツアーの前にアルバムを出したいとも語っていたが、確実に今、12012は変わろうとしている...。