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LIVE REPORT

スキマスイッチ

『スキマスイッチ TOUR 2010 “ラグランジュポイント”』

2010年04月20日
@中野サンプラザ

大橋卓弥(Vo&Gu&Harmonica)、常田真太郎(Piano&Cho&Organ&Other instruments and total sound treatment)、ひとりの音楽家として己を磨いたソロ期間を経ての最新アルバム『ナユタとフカシギ』。結成10周年という節目に相応しく、彼らが吸収してきたものが1曲1曲に込められ、これまで以上にバラエティーに富んだ充実の内容だった。そんなアルバムを携えての本ツアーは、スキマスイッチ史上最多の39公演! バンドメンバーとともに広々としたステージから音を育む姿にどの会場も魅了されたことだろう。
1曲目の「ラグランジュのテーマ~フィクション」から、どこか懐かしさを覚えるメロディーが胸に染み入るスキマワールドが会場を包み込む。人を奮わす大橋の歌声、情景をより立体的に感じさせる常田のピアノ、幾度となくアルバムを聴いてきたにもかかわらず、ライヴという空間で触れる楽曲たちはすごく新鮮で感動的だった。その中でも「SL9」が印象深い。星空をバックに壮大なスケールで歌われた同曲が終わってしまうのを惜しむように、どんどん盛り上がっていくアウトロ。バンドメンバーとの掛け合いも秀逸で鳥肌が立った。
そんな素敵な音楽を奏でるも、MCでは観客に突っ込まれることも多い。会場とたわいもないやりとりの中から出てきた“ハミングで歌って!”という要望に、大橋は歌わないと言いながら「病院にいく」で応えたりと、サービス精神旺盛なのも彼らの魅力ではないだろうか。このようにひとつひとつのライヴが全て特別なものだから、初めて観に来ても、ずっと観に来ていても、感情を豊かにしてくれると思わずにはいられなかった。