メンバーの卒業を経て2019年春より、みゆのソロユニットとして活動中の岡山発のエレクトロポップアイドル・my♪ラビッツ。2022年1月16日に岡山・倉敷REDBOXにて行なわれる誕生祭・卒業ライヴをもって、みゆも同グループを離れることが決まっており、彼女にとって最後の東京ワンマンが10月9日に池袋Space emoで開催された。
EDM調の入場SEが鳴り、“今日も一日楽しんでいきましょう! 手拍子お願いします!”と高らかに声をあげながら、みゆがステージに現れる。オープニングダンスのあと1曲目に披露したのは、10月13日リリースのラストシングル「RE:BORN/#SELFIE」から「#SELFIE」。リボンやフリルが取り入れられた、白地に淡いチョコレート色が挿し色の新衣装は、彼女のスウィーティ―なムードをより芳醇に引き立てている。ソフトな振り付けとカラフルなライティングが、少女性をより魅力的に映し出していた。アップテンポのエレポップ曲「さかさマジカル」では観客に手を振りながら笑顔で歌唱。身のこなしとともに揺れるツインテールも愛らしい。
「RE:BORN」ではキュートさの中にアダルティーな空気感がスパイスとして漂い、21歳の女性ならではの可憐さが際立つ。クールな楽曲だが、《わくわくを作るんだ》というフレーズのリフレインでは振り付けも相まって、力強さと可愛らしさを兼ね揃えたパフォーマンスを見せていた。続いての華やかなポップソング「星屑ロマンス」では軽やかにステップを踏み、恋のときめきを全身で表現。観客も手を振ってその想いに応えた。
MC中にはスペシャルゲストとして、岡山国際サーキットのサーキットクイーンユニット・PaRetの坂本七海が登場。my♪ラビッツとは岡山のリリースイベントで共演経験があり、応援に駆けつけたとのことだ。坂本はパフォーマンスで汗だくのみゆを慮り、観客とコミュニケーションをとるなどし、みゆと一緒に場を盛り上げていく。舞台裏で踊りながらライヴを楽しんでいたという坂本は“会場も盛り上がってますね”と笑顔を向け、みゆにエールを送るとステージをあとにした。
再びステージにひとりになったみゆが本編ラストに披露したのは「dream dreamer dreaming!!」。時折目を閉じ、曲の世界に入り込みながら歌い、夢に向かって飛び立っていく彼女のポジティブなムードで会場を圧倒する。“明日の元気をあなたにお届け!”という決め台詞に違わない、明日への道しるべともなる鮮やかでパワフルなステージを終始貫いた。
会場の撤収が始まるもアンコールを求める拍手が鳴り止まず、みゆもその熱意に応えて、急遽、初期曲「うさぎちゃんHAPPy」を披露する。円陣を組むようなイメージで手をかざし合うみゆと観客。曲名どおりジャンプを多用した振り付けでエネルギッシュに振る舞い、観客とコミュニケーションをとりながらステージをドライブし、120パーセントの力を振り絞って東京ラストワンマンを締め括った。
完璧なステージを繰り広げるべく、凛とした佇まいを崩さなかった彼女は、瓦礫に咲く一輪の花のように気高かった。ラストライヴの2022年1月には、22歳になった彼女だからこそ成し得る、美しい羽ばたきを観せてくれるだろう。
撮影:中村憲治/取材:沖さやこ
my♪ラビッツ
マイラビッツ:2012年9月に結成された、岡山生まれの“エレキュート・アイドル”。19年4月から“みゆ”によるソロユニットとして活動中。ユニットのキャッチコピーは“明日(あす)の元気をあなたにお届け!”。キュートな容姿とは裏腹に、ステージ狭しと跳ね回り、観客を巻き込むライヴパフォーマンスは必見! 19年5月から岡山市の複合商業施設“イコットニコット”のアンバサダー就任し、“プリンセス みゆ”としてPR活動も実施。22年1月16日の倉敷REDBOX公演を持って、みゆの卒業が決定している。