“久しぶりのスタンディングなんで、俺もちょっと戸惑っていますが、隣人に愛を...みんなで楽しいマンデイナイトにしようじゃないか(笑)“ と、草野マサムネ(Vo&Gu)。結成23年、身体の隅々にまで刻まれた数々のステージと作品、そして声援を忘れたかのように、“久々”の手探り感がドキドキを煽る。オープニングは「海とピンク」。1stアルバムからのピックアップでリズミカルに立ち上げ、約10年刻みの作品3曲を歌い終えた後のMCが冒頭の言葉だ。とはいえ、遡って考えれば、当たり前のように出所はライヴハウスの面々。始まってしまえば、いつものSpitzだ。新旧織り交ぜた楽曲構成で、ファンの思い出も彩りを見せ、口ずさみ、体を揺らす。リリース直後の「つぐみ」を歌い終え、友達のように声を投げかけてくるファンに“ゆるい空気がいいね”と軽く微笑む姿は、“かつての日常”に肌感覚が戻ったようで楽しそうだ。ツアー名物で“ご当地ネタがないんだよね、東京って”といって口ずさんだCMソングは「富士サファリパーク」。静岡ですけど...。“和田アキ子さんが歌ってると思ってた”と和ませ、これもと「キン肉マンのテーマ」。“新曲より、反響デカいのどうなの?”と大爆笑。シーンとするのは免疫あるけど...というキャラが逆に確立されてて、唐突に弾ける感覚は面白すぎだ。ライヴハウスだからなのか、トークも聞き慣れたサウンドも、よりグルーブやビートを増して改めてライヴバンドであることを認識できた。アンコール含め23曲。この曲数は意識的なのか?“未知の領域“とも言ってた、夏のワンマンZEPPは確かな熱と汗が刻まれた一夜だった。そう言えば、帰りに、ちらっと見えた女子のメール“ゆるくて気持ちよかったよ~ やっぱり大好き・”ですって。