内田雄馬が2月24日、神奈川・パシフィコ横浜で『YUMA UCHIDA 1st LIVE TOUR「OVER THE HORIZON ~&Over~」』を開催した。これは昨年に行なった東名阪の全3公演で追加公演含めた4公演で約11,000人超を動員した自身初のツアー『OVER THE HORIZON』の追加公演であり、2020年になって最初のライヴ。デビュー曲「NEW WORLD」を始めとしたシングル曲を中心に、1stアルバム『HORIZON』からの楽曲と2月19日にリリースした最新楽曲「Over」を含む全20曲を披露した。また、ダンサーとともに繰り広げるダンスパートで魅せた他、公約だったピアノの弾き語りを披露するなど、昨年のツアーとはひと味違った多彩な一面も提示。持ち前のサービス精神と、決めたことをやり通す強い精神力で、若さとパワーがみなぎるステージを繰り広げた。
疾走感と力強さを兼ね備えたサウンドと伸びやかなヴォーカルで、まるで観客を地平線の向こう側へといざなってくれるような「NEW WORLD」をはじめ、「Speechless」などシングル表題曲のイメージからロックの印象があるが、普段好んで聴いているのはR&Bやダンスミュージックということで、「VIBES」などのダンスチューンでは4人のダンサーとともに息の合ったダンスを披露し、中盤のダンスパートではソロダンスで観客を魅了する場面も。その後のMCで“猛者ども(ダンサー)のあとに踊るのは超緊張した〜”と語っていたが、さらなる緊張が彼に襲い掛かる。バラードナンバー「SOS」でのピアノ弾き語りだ。これは自分が何かにチャレンジする姿を見せることで誰かの力になりたいということで、昨年のツアーで約束していたもので、グランドピアノの鍵盤をひとつひとつ確認するように丁寧に演奏しながら、ファルセットを活かした、やさしくエモーショナルな歌声を響かせる。観客はそれを心の中でエールを送りながら静かに見守り、演奏を終えて“何度も挫けそうになったけどやって良かった”と安堵する彼を大きな拍手でもって賞賛した。
アンコールでは「Shower」でのタオル回しで会場がひとつになった他、ロックナンバーの「Over」ではマイクスタンドを使ったパフォーマンスで会場を沸かせるなど、大きなステージを歌い踊り駆け回り、体力の限界ギリギリまで観客を盛り上げようとする姿が印象的だった。そして、“こういった空間をまた作るために、これからも一緒に歩いて行ってください”との言葉のあと、最後に「ボクらのカタチ」を歌唱。《必ずここでまた会おう》という歌詞とともに観客と再会を誓ったのだった。
撮影:上飯坂一/取材:榑林史章
内田雄馬
ウチダユウマ:2012年に声優デビューし、数々の人気作で存在感を発揮。その一方で自身の出演作品のライヴイベントでは高い歌唱力も披露。歌の活動に期待が高まる中、さわやかにどこまでも突き抜ける声とキレのあるダンスを武器に、18年5月にシングル「NEW WORLD」でアーティストとしてデビュー。同年9月には東京ドームで開催されたイベント『KING SUPER LIVE 2018』に出演。19年3月に『第13回声優アワード主演男優賞』を受賞、同年7月に1stアルバム『HORIZON』をリリースした。