寺岡呼人、奥田民生、斉藤和義、浜崎貴司、YO-KING、トータス松本によるドリームバンド、カーリングシトーンズが1stアルバム『氷上のならず者』を引っ提げて実施する自身初のツアーが、昨年12月23日(月)の東京国際フォーラムホールAからいよいよ開幕した。2018年9月23日にZepp Tokyoで行なったデビューライヴ以来の公演とあって、否が上にも期待は高まっていたけれど、予想を遥かに超えるエンタメ精神に富んだステージで彼らは満員の観客を魅了してくれた。
のっそりとした登場だろうが、この“ならず者”6人が姿を現せばステージは一気に華やぐ。1曲目から客席との一体感も凄まじい。ギターやハープのソロが代わる代わる決まり、ガヤのような合いの手が入ったりするうちに、その熱量はみるみるアップ! “大勢の前でやる曲でもないけどね(笑)”と斉藤シトーン(Vo&Gu&Ba&Dr)が曲紹介したサーフミュージック調の「何しとん?」、かわいいダンスも見ものなマイクリレーソング「涙はふかない」など、ロックンロールからブルースにポップス、ちょいエロな曲までを聴かせる中、奥田シトーン(Vo&Gu&Ba&Dr)が“1曲ごとにこんなにしゃべるの!?”とセルフツッコミを入れるほど、メンバーはMCも自由奔放で楽しそう。“ニュー衣装が似合っているか”でわちゃわちゃしたり、ギャグがスベってお互いを茶化したり、浜崎シトーン(Vo&Gu&Key)が謎の中国弁で話したり、キングシトーン(Vo&Gu&Harp)のモノマネがあったり...他にもあっと驚くサプライズにモグモグタイムと、ユーモアを振りまきながらライヴは愉快痛快に進む。
ゆるくてズッコケがあったりしても、演奏に入ればすこぶるカッコ良く、何をやってもさまになるのがたまらない。トータスシトーン(Vo&Gu&Dr&Harp)と寺岡シトーン(Vo&Gu&Ba&Key)がそれぞれ作ってきた初披露の新曲でもコール&レスポンスを起こせる無双ぶり、威風堂々たる6人の存在感、曲ごとにパートを変えつつ全員で仲睦まじく歌うパフォーマンスには、時にほっこりして、楽しい生き方を教えてもらっている気分に。歓声と笑いの絶えないステージに終始圧倒された、濃密で贅沢な2時間半でした。カーリングシトーンズ未体験の方は、2020年夏に開催が決定した追加公演と、有明に新しくできる会場で開催される東京公演でぜひ味わってほしい!
撮影:平野タカシ/取材:田山雄士
カーリングシトーンズ
カーリングシトーンズ:寺岡呼人ソロデビュー25 周年を記念して、寺岡をはじめ、奥田民生、斉藤和義、浜崎貴司、YO-KING、トータス松本らにより結成されたスーパーバンド。それぞれ異なるレコード会社、プロダクションに所属していながらの奇跡の結成となり話題を呼び、2018 年9 月にZepp Tokyo にて開催されたデビューライヴのチケットは発売日に即日完売となった。そして、19 年11月にアルバム『氷上のならず者』をリリースし、いよいよ本格始動する。