“苦労人と呼ばれているけど、今までに無駄なことはひとつもなかったし、どんな時も3人で信じてやってきました。夢のステージにかしゆかとのっちと一緒に立てたことが本当に嬉しいです”、アンコールでのあ~ちゃんの言葉が印象深い。テクノポップユニットとして地位を見出した彼女たちが夢にまで見たライヴは即日ソールドアウト。もはや彼女たち3人だけの夢ではない。チケットを手にした約5万人にとっても結成10周年を記念した、この東京ドーム公演は夢であり、成功を祈るばかりだった。
全方位から“何か”仕掛けてくるのは間違いないステージ。3人で挑むステージではあるが、気持ちは常に観客と一緒に遊びたいという一心。そんな彼女たちのサービス精神旺盛さをかたちにしたようなステージのおかげで開演前から歓声や拍手が鳴り響く。いざ本番が始まると、超絶ビートの上でさまざまな表情を見せるかしゆか、のっち、あ~ちゃんの3人。“ラブい曲”が集められた「ナチュラルに恋して」~「575」では幸せオーラをまき散らすような満面の笑みを浮かべ、思わずドキッとするぐらい色っぽさもまき散らすと、続く「VOICE」からの流れではクールなダンスパフォーマンスを見せつけたりと目が離せない。まったり和やかムードで安心させるMCもPerfumeならでは。会話に夢中になるのもご愛嬌で、とにかく1曲1曲、一瞬一瞬に込められた熱量に気持ちは高まる一方。初めに登場した際の純白のミディアムドレス、ピーターパンを彷彿させる緑の衣装であったり、より深く曲を楽しめるようにと彼女たちを援護する映像や照明などの視覚的要素にもワクワクが止まらない。まさにおもちゃ箱に飛び込んだようなボリューム満点の世界が広がっていた。