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LIVE REPORT

sumika ライヴレポート

【sumika ライヴレポート】 『sumika Live Tour 2018 “Starting Caravan”』 2018年6月30日 at 日本武道館

2018年06月30日
@日本武道館

この数年、ライヴハウスを拠点にミュージックシーンでぐいぐいと頭角を現してきたsumikaが全国各地のホールを回るホールワンマンツアー『Live Tour 2018“Starting Caravan”』を開催した。その中でバンド初の日本武道館公演も6月30日に実現。超満員の観客が大歓迎した2時間半におよぶステージは、単にバンドの人気だけにとどまらず、バンドとファンの結束の強さを印象付けるものとなった。

結成5周年を迎えたバンドにとって初めての日本武道館公演が、いきなり2日間の開催になったことが人気の急上昇を物語っていた。ライヴ活動を精力的に続ける中でそれを実現させたことは、立ち見が出るほど超満員の観客とバンドが作り出した一体感を見れば、明らかだった。ここまで大きな一体感、なかなか珍しい。

ツアータイトルにもある“キャラバン”(隊商)のテントを思わせるセットの幕が開演を告げるように開いた時、すでに歓声をあげ、手拍子でバンドを迎えた観客は、2曲目の「Lovers」で早くもシンガロング。みんな、楽しみ方をちゃんと分かっているようだ。その数は全体の7割、いや、8割、いやいや9割か!?そんな客席に“ライヴハウスより熱いです。熱気をありがとう”と片岡健太(Vo&Gu)も破顔一笑。

この日、sumikaがメンバー全員のトークもたっぷり交えながら、2時間半にわたって演奏したのは、片岡曰く“ベスト・オブ・ベストのセット”。4月にリリースしたEP『Fiction e.p』の4曲を含む新旧の全20曲。ロックあリ、バラードあり、R&Bあり、ジャジーなものありという多彩なポップソングの数々が、それぞれに魅力は違っても観客の気持ちをとらえて離さないのは、共通してハッピーなヴァイブが感じられるからだ。「フィクション」で本編が終わると、オーディエンスからのアンコールに包まれた。誰もが精いっぱい、sumikaの音楽を楽しもうとしていることが分かった。そんな一体感に包み込まれる心地良さもまたsumikaのライヴの魅力。一度体験したら、これは再度味わいたい。

撮影:後藤壮太郎/取材:山口智男