2007年6月5日の初ライヴから丸11年。DaizyStripperのアニバーサリーライヴはファンからリクエストを募り、その上位16曲を披露するという純度100パーセントの“ファン感謝祭”として開催された。11年の軌跡を惜しみなく披露しながらファンの期待に応え尽くし、最後には新たに発足させた自主レーベルから7月25日にミニアルバム『シン世カイ』を発売することも発表。“俺たちがお前たちのこと超幸せにしてやるから、しっかり付いてこいよ!”と迷いなく言い放ち、自らの足で立つ今のDaizyStripperに敵はない。
ファン投票の上位16曲をカウントアップで届けたDaizyStripperの11周年ライヴ。結果、締め括りに相応しい歌詞の「Bremen」でライヴを幕開けたり、感動的バラードの直後に頭を振ったりと、普段はあり得ない流れが続出するが、それもスパイスとして美味しく働くのは確かな楽曲力があればこそ。3曲目の「白蝶乱舞〜White Butterfly〜」ではヘヴィなReiのベースソロからまゆが狂おしくギターをかき鳴らし、朗々と伸びる夕霧の歌声をなお(Gu)の激烈なプレイが引き継いで序盤からフロアーを圧倒し、風弥のリズムが全体を支える。
ラジオ風のDJで曲解説を挟む展開も新鮮で、夕霧いわく“葬式で流してほしい遺書代わりの曲”という壮大バラード「36.5°C」のあとは、最新シングルのカップリング曲「ラビットファンタジーパレード」を初披露。煌めくミラーボールとマーチングバンドをバックに、バンドの歩みをミュージカル調で綴ったナンバーは、クラシックの素養豊かな彼らにしか作り得ないものだ。激しく切ない旋律が胸を打つ第2位の「ジュリエットのナイフ」に続き、栄えある第1位として奏でられたのは「色彩ヴィヴィッド」。さわやかなメロディーで鮮やかな色彩を想起させる響きは、喜怒哀楽を描くことを旨とする彼らのまさしく王道で、そんな楽曲を1位に選んだトレゾア(=宝物)たちの愛情を強く実感させられる。
アンコールで演奏された新曲「コスモス」も激烈な風弥のドラミングを筆頭に大いなる妖しさをはらんで、新たな始まりを予感させる。“世の中は闇だらけかもしれないけど俺たちは圧倒的な光でありたいと思ってます”という夕霧の宣言も納得の希望に満ちた一夜だった。
撮影:M.キセキ/取材:清水素子
DaizyStripper
デイジーストリッパー:2007年3月結成。初作品「ダンデライオン」でオリコンインディーズランキング1位を獲得。その後も数々のシングルとアルバムをリリース。結成10周年という節目に、シングル「AGAIN」でメジャーデビューを果たした。