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LIVE REPORT

片平里菜

『片平里菜2ndワンマンツアー2014?amazing sky?』

2014年11月24日
@恵比寿 LIQUIDROOM

自分を育んでくれた周囲の人や、故郷である福島に対する率直な想いを綴った1stアルバム『amazing sky』。作品のリリースを経て、11月16日から待望の2ndツアーがスタートした。東京公演のこの日、彼女の新たな一面を見たと感じたのは、ヘビースモーカーの男に惹かれる女性を描いた新曲「煙たい」。持ち味である透明感に満ちた声に切なさと甘さが加わり、恋人同士の体温や息遣いまでも感じさせる。その一方で、田村玄一のスティールパンと片平のアコースティックギターで演奏された新曲「子供時代」は、ふたりが発する柔らかな音が心地良く響き合い、幼い時に見た景色や無邪気な気持ちを思い起こさせてくれた。また4つ打ちの衝動的な楽曲「HIGH FIVE」や「CROSS ROAD」では元気な彼女のパフォーマンスにオーディエンスもクラップで応え、会場は大いに盛り上がる。

ライヴ後半、片平は4月から東京で暮らし始めて、久しぶりに福島に帰った時の体験について語った。“平和ボケしていた”という言葉に、オーディエンスも記憶が風化していくことの怖さにハッと気付かされる。観客の心を導くように、彼女は“悲しみの中でも光を信じよう”と伝えてくれる楽曲「心は」をじっくり歌い上げる。“私しか歌えない歌をこれからもどんどん歌っていこうと思っているので、必要だなと思う人は、曲を聴いて、また歌を聴きにきてください”。自分の決意を語り、ラストの「始まりに」をマイクレスの弾き語りで披露。マイクを通さない分、彼女から生まれたものを直接手渡しされているような温かい感覚を残し、ステージは幕を閉じた。