“今日は僕らが解散した日、そして復活した日と同じ1月29日なんですけど、今日で僕らの1.29は終わります。復活した時の黒夢の幻想を追いかけるのは今日で終わりにします”。
アンコールのMCで清春は意味深なことを口にした。これが黒夢としての最後の武道館公演になると伝えられていた『黒と影』は、彼らの代表作のひとつ「FAKE STAR」で幕を開けた。最新アルバム『黒と影』の楽曲が中心になるのかと思いきや、セットリストはファンが思い出を重ねられるようなベストセレクション的内容。クールネスと熱さを兼ね備えた独特の温度感を持つ清春のヴォーカルとパフォーマンスは会場の空気を支配し、中盤では人時のダイナミックなベースソロも披露され、場内を沸かせた。ライヴはアンコールを含め、約3時間にも及び、3月26日にリリースされる新曲「Reverb」(ゲーム『戦国無双4』のCM曲)も披露。そのすぐ後に先日亡くなった佐久間正英氏がプロデュースした初期の楽曲「棘」「for dear」「Miss MOONLIGHT」が立て続けに演奏された。怒濤の歓声が起こった「少年」から大合唱になった「Like @ Angel」で新たな歴史を刻んだライヴは終了。
“僕らはふたりで一緒にゼロになります。これからは思い付きで。それは黒夢かもしれないし、そうじゃないかもしれません”と今の心境を語った清春。黒夢メジャーデビュー20周年の日に当たる2月9日には清春と人時の地元、岐阜県のライヴハウスCLUB Gで計3日間にわたってのライヴが行なわれるが、ここが新たな地点となることは間違いないだろう。なお、この日のライヴの模様は、3月16日に『黒夢 20th Special』としてWOWOWで放映される。