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さすらい挽花

 
流れ流れの 旅空夜風
親の意見が いまさら沁みる
むかし堅気の 涙の味も
忘れちまった 男の背中(せな)に
すすり泣きする 母の声

義理だ恩だと 言ってはみても
いまの時代じゃ 枯れ木に花よ
好いた女房も 倅(せがれ)もいつか
忘れさられて 他人の空似
風も恋しと 泣いている

やがて日暮れりゃ カラスでさえも
親子連れして 塒(ねぐら)へ帰る
誰に詫びよか わが身の錆(さび)を
忘れ墓標の 故郷(こきょう)の里に
せめて一輪 手向(たむ)け花