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蝸牛

 
カーテンの隙間から聞こえる 優しい雨の音が
何曜日なのかもわからない 私を誘い出した

頭の上に落ちた雫が 額を伝って
頬の辺りのしょっぱい水と 混ざって流れた

止まずに降れ 雨のワルツ 地面が溶ける程に降ればいい
灰色のまだらな空 憂鬱を撒いた空

駅前のパン工場に 朝の陽が差し込むと
甘く広がるマフィンの香り 街中に漂った

水溜まりも 濡れた道路も 流した涙も
今日のうちに みんな空に 消えてゆくんだろう

止んでもまだ 響くワルツ まだ私の顔は濡れている
知らん顔で空は青く また独り 置いてけぼり

白い柵に蝸牛が のぼせた頭をもち上げている
雨粒をぬるくしてさ  陽は照り出す

雨 雨 降れ 窓のワルツ
今乾いた涙は 風の中
カーテンを開け放して 手を振ろう
さようなら