トンボコープ・雪村りん
僕らはなぜ 答えを焦って
宛ての無い暗がりに
自己(じぶん)を探すのだろう
物心がついた時から、僕の生活のすぐそばにはいつもいきものがかりの音楽がありました。
僕が初めてそれに触れたのは、小学生の頃に授業で聴いた合唱曲「YELL」です。当時は、歌詞の深い意味までは理解できていなかったはずですが、あの美しいメロディーは一度聴いただけで頭から離れず、本能的に心奪われたことを今でも鮮明に覚えています。お小遣いを貯めて、アルバム『ハジマリノウタ』をレンタルし、ウォークマンで何度も何度も聴いていたあの時間は僕の音楽的原体験のひとつです。
大人になり、自分が作り手として音楽に向き合うようになった今、改めて歌詞を読み返すと当時の自分とは全く違う景色が見えてきます。
特に「YELL」の
<僕らはなぜ 答えを焦って 宛ての無い暗がりに 自己(じぶん)を探すのだろう>
という一節が僕の中でとても印象的です。
バンド活動の中で、ときに自分自身が「何を伝えたいのか」「何を歌いたいのか」と、立ち止まって深く自問自答する夜があります。ただひたすらに前へ進もうとするあまり、迷いや焦りを感じてしまう時、この言葉がまるで今の僕を見守り、そっと肩を叩いてくれているような感覚になるのです。
あんなにも眩しく、多くの人の心を照らし続けるいきものがかりのおふたりも、もしかしたら僕と同じような孤独や葛藤を抱え、それをひとつずつ乗り越えてきたのではないか。そんな想像をすると、いきものがかりの音楽が放つ“キラキラとした輝き”の裏側にある、人間味とその力強さを感じることができます。
いきものがかりの音楽は、時代を超えても変わらず僕に大切なこと教えてくれます。デビュー20周年という大きな節目を迎えた今、改めて彼らの音楽からいただいたエールを胸に、僕自身も誰かの背中を押せるような歌を紡いでいきたいと強く思います。
デビュー20周年、本当におめでとうございます。
トンボコープ 雪村りん
INFORMATION
New Digital Single「LANDMARK」
7月22日配信リリース
吉岡聖恵 水野良樹