声優・アーティスト古川 慎の四季を巡るライブツアー『Furukawa Makoto 2nd Live Tour kaleido is bloom』レポート
2025/05/02
声優・アーティスト古川 慎が、ファン待望の東阪ツアー『Furukawa Makoto 2nd Live Tour kaleido is bloom』を4月13日(日)立川ステージガーデンで締めくくった。
今回は2nd Live Tour 東京公演の模様をレポートする。
追加の見切れ席も含め即完売となった古川 慎ファン待望の本公演。この日は朝から生憎の雨模様。しのつく雨をものともせず、当日機材解放席とライブグッズを求める幅広い年齢層のファンが集結。特に5周年を記念して爆誕したオリジナルキャラクター“ししあんぐり”グッズを中心に完売続出の盛況。
開場直前に雨が止み、場内には様々な作品・番組や、ファン有志からの凝った装飾のフラワースタンドが多数並ぶ。ステージは左右にバンド機材が並び、中央は二層式で階段で繋がれている。前方中央と左右にはお立ち台が据えられ透過式のスクリーンにライブタイトルが映し出されている。
スクリーンに回転する花びらが映し出され、アコーステックギターの音色から初のコンセプトシングル表題曲『カレイドスコープ』で開演。浮かんだシャボン玉にペンライトのピンクが反射し、透過スクリーン越しのステージ上段にベージュのジャケットに身を包んだ古川 慎が登場。アコーステックアレンジでより憂いの籠もったメロディに「鮮やかに 染まりながら 生きればいい からり からり 笑う 今日が来るから」と自ら手がけた春への切ない想いを乗せる。スクリーンが上がって『first light』では、アクティブにステージを左右に動き、「声出せる?」の問いかけで青と紫のライトが灯る客席から歓声を浴びる。
「Yay立川! 1階席! 2階席! 3階席!」
と軽妙なコール&レスポンスで盛り上がると、どこから来たトークではご当地ネタを織り込んで笑いを誘い「地球外」でオチを着ける。ここで本公演のモチーフが、昨年リリースした『カレイドスコープ』から構想を得て、四季をテーマにしていると種明かし。
「難しくもある愛すべき楽曲群と、一緒に立ってくれるバンドメンバーのみんなの力によって、凄く夢中にさせることができるライブになってるんじゃないかなと思ってます。四季を巡る、1年を表現するっていうところで、楽しんでいただければ。素敵な1年を、この2時間程の間に皆さんに感じていただければ幸いでございます」
と告げ、花粉症をぶっ飛ばす楽曲として
「聴いてください、愚者の跳躍(ゼロのシグナル)」
と曲紹介、一転してアップテンポなデジロック『愚者の跳躍』へ。お立ち台に足を乗せ、赤く染まった場内へ「道なき道でいいさ 旅を始めよう」と激しくシャウト、「当たり前を捨てて飛び込んでいこう」「be all right!」とコール&レスポンス。
「アゲてこうぜ!」
と叫んでの『本日モ誠ニ晴天也』ではリズミカルにスイングし「本日モ誠ニ…晴天也!」とライブならではの絶叫、「呑んで 詠んで 漫ろ歩き」とコールで一体になる。スクリーンが降下して花の舞う春から高原へ季節が巡り、『Forsaken kiss』へ。全篇英語の歌詞を、夏を思わせる青いライトが瞬く客席へムーディーに響かせる。
「夏ですって…夏っぽくないよね」
と自嘲気味に笑う古川 慎に「夏だよ」と場内から声が飛び、好きな季節のコール&レスポンスで盛り上がり、『Like a sunflower』へ。ポップなメロディに爽やかな歌声を乗せ、左右のお立ち台で足を掛けての「La La La」「Na Na Na」のコールで一体となる。『rainy day』では「星の rainy day 嘘や言い訳も洗い流せればいいのに」と痛切なメッセージを響かせる。
「今回(大阪公演で披露した)スピカがお休みでーす。みんなが全く知らない曲やります。聴いてください」
と告げて6月18日リリースの約4年半ぶりのミニアルバムから、表題曲『Catch Me If You Can』へ。大阪公演前日に歌詞を書いたという新曲は、ギターの独奏から一転してハードなロックナンバーで、客席では赤いライトが揺れ、最後はお立ち台からジャンプして歓声を浴びる。
ここでスクリーンが下り、ベージュのジャケットにカラフルなシャツを着用した古川 慎が映し出され、
「2時間前の古川です~(笑)皆さん、立川公演楽しんでいただいてますでしょうか?お足元の悪い中、こうして集まってくださって本当にありがたいです」
と大歓声を浴びる。2時間前の古川 慎はミニアルバム『Catch Me If You Can』について、劇場映画の劇伴の様に、1本の映画を体感できる物を目指した、と明かし、レコーディングを進めるうちに意図した以上に曲同士が繋がって劇場的なストーリー、ドラマチックな世界感に期待して欲しいと述べる。
「そしてそこに入り込んでいくのが『Hightail it』です。こちらもまた味わい深いというか、ミニアルバムの世界観に溶け込んでいるところが、個人的に面白くて。テーマは、履いているか履いていないかっていう感じで(場内爆笑)。楽しみにしていただければありがたいです…そろそろあの男が見たいんじゃないか?と思いますので、皆さんで呼んでいただけますか?」
と扇動、場内から「あんぐり慎さーん」の呼び声がこだまして、紫のエプロンにネクタイ姿のあんぐり慎が笑い声と歓声に迎えられてスクリーンに登場。思わず笑ってしまうハイテンションの快演でグッズを紹介する。場内を爆笑させたあんぐり慎が
「皆様とこうしてまた、濃厚なやり取りが出来る日を楽しみにしております」
と締めくくると、季節が巡ってもみじが色づき、舞い散る花びらと都会の街並みが映されたスクリーンが上がって『incomplete』へ。紅葉に合わせてオレンジのライトが瞬く場内へステージ上段からムーディーに歌声を響かせると、間髪を入れず『"Place your bets"』へ。情熱的なメロディで「ドレスを纏った真っ赤(スカーレット)なmemories」とアダルトに囁き、赤いペンライトが揺れ、スポットライトが狂おしくステージを乱舞。「アナタの心のど真ん中を 突き刺すだけ」と煽情的なメッセージを送る。アップテンポなジャズロック『切嵌とfairytale』ではベース:Igo、ドラム:直井弦太、キーボード:柴﨑洋輔、ギター:水野谷 怜を紹介、それぞれソロパフォーマンスを響かせると「あぁ 善悪は意味を無くして 飽き足らず one more Get off to Love 君の最奥で 撃ち放った」と激しくシャウト、ジャンプで締める。「格好いいよ」の歓声が響き渡り、
「イヤモニ付けてても『格好いいよ』は突き抜けてくるんだよね(笑)1つも秋っぽくないね、今の所ね」
と笑いを誘うと、改めて『Catch Me If You Can』制作の裏話を披露。「誕生日っぽい曲」と前置きして『夕凪を連れて』へ。椅子に座った古川 慎は、郷愁を誘うゆったりしたメロディに「遠ざかった光は眩しく 僕を置いていく」「新たに灯る蝋燭の意味 こんなにも大きくなった」「優しい日々は見送ってくれる 今を歩いてく 僕は歩いてく」と想いを籠める。
スクリーンに雪景色が映し出されて冬が訪れ、白いライトが灯る中TVアニメ『履いてください、鷹峰さん』のEDテーマ『Hightail it』へ。煽情的なフレーズを、ムーディーに昇華して歌声を響かせる。
続いて、ステージ上段でスポットライトに照らされながら『その夜が明けるまで』へ。ピアノの前奏から始まる澄んだ冬空の様なメロディに透明感溢れるハイトーンを響かせる。続いてテンポアップした前奏から『マーガレットの沈黙』ではステージを左右に移動し、
「唄える?」
と問いかけ、「まだ冷たい喧騒の入り口で すれ違いながら 重いコートのなか隠してる 夢の息吹」と場内合唱。
「そんなこんなで、冬のパートだったんですが、あっという間に最後の曲でございます」
と告げると、場内から「ええ~」と一斉に嘆きが漏れる。
「ありがとうございます。あっという間なツアーでございました。
それには、会場に来てくれた皆さん、自分の歌を聴いて、いいなって思ってくれて、楽しんでくれてる人たちの力が絶対的に必要なんですよ。
ああ、もうすぐ大阪か、もうすぐ立川か。なんて言ってたらあっという間にその日が来て、こうやって楽しかったな…って過ぎていくんだなと思うと、もうちょっと時間を大切にしないといけないなと。
またきっと、皆さんの前で歌わせていただく機会があるんじゃないかなと思うんで。その時は、今日来てくださった方、来れなかった方、これから未来に、古川のライブ行ってみたいな…と思って来てくれてる方、一同に介して、聴いてくれると嬉しいなあ…というところでございます。本当にありがとうございました。
またここに…ここじゃないかもしれないけど、またこうして集まれるように…というところで、最後の冬の曲を、この曲にさせていただいております。聴いてください」
と、『地図が無くても戻るから』へ。畑亜貴による「手を伸ばせば 優しさが強さだと 教えてくれる絆が 生きるために 大切なものさ だから戻ってくるよ ここへ戻ってくるよ」という再会を約すメッセージを、白い光が満ちた会場の隅々まで響かせる。
「またね」
と静かに告げた古川 慎は手を振りながらステージを下りる。暗転した場内に拍手が鳴り止まず、アンコールの声が響くと、バンドメンバーに続いて、ライブTシャツに着替えた古川 慎が再登場。軽快なジャズの『Onlynight Crown』で「Us laughing」(Us laughing)「over」(over)とコール&レスポンス。「どうか覚えていて 煌めいた笑顔達 重ねたmoment 退屈な日々に目覚めても 壊れない宝物さ」と、ライブの名残惜しさに重なるメッセージを届ける。
そして、『Hightail it』のMV解禁と『ししあんぐりLINEスタンプ』、次のシングル制作を告知。
「このライブで、春夏秋冬、1年を巡った皆さんをもう1回春に還して、このライブを締めたいと思っております。聴いてください」
と、オリジナル版『カレイドスコープ』へ。ピンクの光で満ちた場内へ「約束はしないよ 忘れやしないから 始まりの季節を迎えて また巡り会う」「からり からり 笑う 今日は綺麗だ」
と想いを伝える。
バンドメンバーと並んで謝意を伝え、送りだした古川 慎は
「良い1年になりましたか?(賛同の大歓声)またいつか、ライブをする時には、楽しみにこの場に来て頂けると嬉しいです、また逢いましょう! ありがとうございました」
と、隅々まで謝意を示し、濃密な2nd Live Tourを締めくくった。
声優として多忙を極める古川 慎。だが、2nd Live Tourへ向けてしっかりと準備してきたことが伺える、圧巻のパフォーマンスを魅せてくれた。ジャズロック、ロカビリー色が濃い楽曲群と、多くの楽曲で自身が作詞を手がけ、バンド編成にこだわる姿勢から、音楽活動への並々ならぬ想い入れが感じられる。声優・古川 慎ならではの表現が色濃いパフォーマンスと、笑いの絶えないトークと幕間映像。次の展開が待ち遠しい立川の夜となった。
ライター:こもとめいこ♂
『Furukawa Makoto 2nd Live Tour kaleido is bloom』セットリスト
セットプレイリスト
https://open.spotify.com/playlist/4awFnSsPj1r9KfRJ4dHHWL?si=tiStyGwsRCmNlbX42rXmlQM01.カレイドスコープ (acoustic ver.)
M02.first light
M03.愚者の跳躍
M04.本日モ誠ニ晴天也
M05.Forsaken kiss
M06.Like a sunflower
M07.rainy day
M08.Catch Me If You Can ※新曲。初披露
-幕間映像-
M09. Incomplete
M10."Place your bets"
M11.切嵌とfairytale
M12.夕凪を連れて
M13.Hightail it
M14.その夜が明けるまで
M15.マーガレットの沈黙
M16.地図が無くても戻るから
EN1.Onlynight Crown
EN2.カレイドスコープ
■Lantis 『kaleido is bloom』公式サイト
https://lantis.jp/special/furukawa_2ndlive/■『Furukawa Makoto 2nd Live Tour kaleido is bloom』グッズ事後通販
https://www.asmart.jp/shop/furukawamakoto■YouTube Lantis Channel 古川慎プレイリスト
https://youtube.com/playlist?list=PLmgGL3shzkGOSTDswXMrwns5WEebObAxL&si=-Bjjq3dPtip2cKU-■Lantis アーティスト古川慎公式ページ
https://lantis.jp/artist/furukawamakoto/<<アニメ歌ネットトップへ戻る>>