サンタの一味になる

 聞くひとの心を捉えて離さない、染み入る歌声と歌詞が多くのリスナーを惹きつけるシンガーソングライター・新山詩織。そんな彼女が2023年4月17日にメジャーデビュー10周年を迎えました。そして7月5日には10周年記念アルバム『何者 ~十年十色~』をリリース!
 
 さて、今日のうたコラムでは、メモリアルイヤーを記念して“新山詩織”による歌詞エッセイを1年を通じ、12ヶ月連続でお届け!今回はいよいよ最終回です。さらに本日は「今日のうた」年内ラスト更新! 綴っていただいたのは、クリスマスの大切な思い出について…。みなさんは今年、どんなクリスマスを過ごしましたか? 今回も音声版がございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください。


新山詩織の朗読を聞く

12月といえば、クリスマスの日はほぼ毎年
家族揃ってテーブルを囲み、食事をした。
 
丸焼きチキンとサラダ、ピザやケーキに
でっかいボトルのコーラや、オレンジジュース
 
音楽マニアの父がランダムにかけてくれる
クリスマスソングではない、ソウルミュージック
 
その目の前に広がる全てが、キラキラしていて
ワクワクしてならなかった自分がいた。
 
そして、我が家のクリスマスは
中学生までサンタさんが来ていた。
 
朝起きると枕元にプレゼントが…
「やったーー!」と素直に喜んだ。
 
サンタさんを信じていた私は
紙にかけば当たり前にそこにあるのだと思っていた。
 
だが、中学生になると父母からとあるカミングアウトをされ
まだ信じている弟たちのために、サンタの一味になった。
 
そうだったのか…と、受け入れつつも
あの時のなんとも言えぬ気持ちは、未だに覚えている。
 
先日、クリスマスを前に久しぶりに家族で集まった
そして、互いにプレゼントを渡しあった。
 
誰かに頼まれた、頼んだものじゃなく
その人の“いま”を思い浮かべながら選んだもの
喜んでほしくて選んだもの
 
サンタの一味になる=大人になる
ということだったのかも…なんて、感じた。
 
 
一年間、こうして文を書かせていただき、しかも音声も載せていただき
素敵な機会を本当にありがとうございました。
 
<新山詩織>


◆新山詩織 4th ALBUM『何者 ~十年十色~』
2023.7.5 RELEASE!
https://niiyama-shiori.com/cat-info/2023/04/17/2553/