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LIVE REPORT

Aqua Timez

『Music 4 Music tour 2010』

2010年04月29日
@NHKホール

ほっといても時間は経つが、作品に込めた普遍のテーマは永遠で歳をとらない。ツアー24ラウンドのファイナル。GW初日、少年少女が客席を埋め尽くす。メンバー入り、持ち上がる歓声を尻目に太志(Vo)がアカペラ的に静かに立ち上げる。ファンの勢いが一瞬止まるが、曲は分かってる「ALONES」だ。イントロが鳴るや抑制されたボルテージがあふれ出す。“CLAP YOUR HANDS!”と太志が煽りをくれ、アドレナリンを注入されたファンは連射される曲に興奮で応える。5年前を振り返ったMCで“初めてCDが店に並んで買いに行きました。この曲は変わらずに背伸びをしない!”(太志)と歌った「等身大のラブソング」は序盤戦の肝となった。彼らを一気にメジャーシーンへと押し上げた名曲。露出の多い彼らは、一見ポップバンドの印象を強く感じさせるが、実はそうではない。ポピュラーという意味が“心の揺れ”にあり奥深い。後悔と感謝、理性と感情、夢と現実、常に背中合わせに歩いてる、心というファジーな厄介者の扱いが卓越しているのだ。「小さな掌」「決意の朝に」「白い森」、この3曲への導入部で語ったポエトリーリーディングからは、特有の心の汗が痛いほどに伝わってきた。がむしゃらを超えた今、“ありがとう”の言葉をメンバー各自が口にするが、mayuko(key)は逆に“みんなのありがとうが伝わってくる”と何でもないMCで一瞬、感極まり涙ぐむ場面まであった。後半戦は、バンドのライヴではよく見かける光景。つまり、興奮のるつぼ。タオルぶんぶん振り回すは、暴れ回って幕を閉じた。「決意の朝に」の一節“辛いとき辛いと言えたら いいのになぁ”。本当に、そう思う。