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LIVE REPORT

GOOD ON THE REEL

『GOOD ON THE REEL presents「HAVE A “GOOD” NIGHT Vol.33 ~ Vol.47」ペトリコール ~雨天決行~』

2016年03月25日
@Zepp DiverCity Tokyo

“ステージに立つことは、未だに怖いこと。それでも俺がステージに立つのは、かたちのなかった幸せがあなたたちだと気付いたから”。バンド史上最長のワンマンツアー最終日、アンコールで千野隆尋(Vo)がオーディエンスに向けて語った、この言葉がツアーの充実度を表していたように思う。

雨が映し出されていた紗幕に大きく手を広げた千野のシルエットが映る。アルバム『ペトリが呼んでる』と同じように、「BYSTANDER」「サーチライト」といったアグレッシブなナンバーで幕を開けると、「素晴らしき今日の始まり」では歌詞を変えて“僕は東京に帰ってきたよ!”と歌い、ファイナルを迎えられた喜びを力いっぱい表現しているように思えた。語りかけるようにアカペラで歌い始めた「つぼみ」、軽やかでありながら力強い高橋 誠のマーチングドラムが印象的な「So Late Me」で引き込むと、「REM」では岡?広平、伊丸岡亮太ふたりがギター掻き鳴らしながら前に出てきたりと動的な部分も見せる。そして、オーディエンスは、彼らの出す音を最後の一音まで聴き逃さない...というよりも、彼らの作り出す壮大な情景に浸り、聴き入っている。そんな中でも映画を観ているかのような錯覚に陥ったのが、ステージ一面に滲んだ青い色が広がった「ペトリコール」。どこか懐かしさを感じる奥ゆかしさは、このバンドならではの魅力であると特筆しておきたい。

また、10月9日に日比谷野外大音楽堂で野外初ワンマンライヴを行なうことをアンコールで発表。“どこまでだって、歩いていくから”と言って始まった「ハッピーエンド」の生命感にあふれたエンディングがこれからの彼らを示しているように感じた。