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LIVE REPORT

the HIATUS

『Keeper Of The Flame Tour 2014』

2014年07月23日
@新木場STUDIO COAST

どこまでも伸びていく繊細なメロディー、各パートの存在感がみなぎるフックが散りばめられたアンサンブル、色鮮やかな景色を描きながらも体を突き動かす躍動的なグルーブ、そしてそれらが合わさることで生まれる音響系の広がりと深みを秘めたサウンドスケープ。ツアータイトルにも掲げられた最新アルバム『Keeper Of The Flame』の音源としての完成形は体が記憶しているが、そこにプレイするメンバーの真っ直ぐな感情、観客の高ぶった息吹が加わって、一曲一曲が生命力を持ったように熱を感じさせる。

最新アルバムの根底にあるダンスミュージック特有のトランス効果もあるのだろうが、BPMが速いから高揚感を焚き付けるわけでなく、その熱量の高まりや、生命力のうごめきによって、胸の奥の方から何かが開放されていく感覚に陥った。例えば、ゲストヴォーカルにUCARY VALENTINEを迎えて披露された「Tales Of Sorrow Street」。もしも水の中で息ができたら、この紡がれる音の粒を味わうように水の粒子を感じ、流麗なメロディーを感じるように水流を漂うのだろうか、と考えながら全身で音像に酔いしれていた。また、「紺碧の夜に」。もしも空を飛べたとしたら、このサウンドがもたらすような際限のない開放感を得るのだろうか、と想像しながら、日常はもちろん、自分自身からも解き放たれた気持ちに浸っていた。

そんな中、ダブルアンコールの前に、ヴォーカル細美武士がサプライズで追加公演を発表した。12月22日、日本武道館。ライヴの余韻を噛み締めながら、彼らの楽曲を武道館という空間で体感できることが楽しみで仕方がない。