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LIVE REPORT

Rihwa

『Rihwa “BORDERLESS” TOUR 2014』

2014年06月15日
@EX THEATER ROPPONGI

4月にリリースしたファーストアルバム『BORDERLESS』がオリコンの週間ランキング10位を記録。地元・札幌をはじめ、全公演のチケットがソールドアウトとなった全国ツアーが6月15日、東京・EX THEATER ROPPONGIでファイナルを迎えた。“Are you ready?”とファンに呼びかけ、メジャーデビュー曲でありアルバムの1曲目でもある「CHANGE」でライヴがスタート。バンドの音にも負けないぐらいパワフルな歌声とアコギで会場を一気に盛り上げていく。シャボン玉が舞い上がる演出の「LOVE ME DO」などアップテンポな曲でたたみ掛けた後、アコギからハンドマイクに持ち替えてバラード曲「Last Love」「約束」を披露。Rihwaの豊かな表現力と高い歌唱力がより際立つバラードに、1700人のオーディエンスも彼女の歌声に聴き入っていた。

中盤は弾き語りコーナーが用意されていた。会場ごとに演奏する曲目を変えてきたコーナーで、いつもRihwaが当日決めていたのだが、この日演奏する曲だけはツアーが始まる前から決めていたという。“『BORDERLESS』は私のルーツを知ってほしいというアルバムで、今日はみなさんに原点を見てもらいたいな、と”と言って演奏をしたのは「NOSEBLEED」。“鼻血”という意味のタイトルの曲はカナダに留学していた高校生の頃に作った、まさに原点と言える楽曲で、ファンの前で演奏するのはもちろん初めてのこと。歌詞を書いた友人も、その様子を会場で温かく見守っていた。次に演奏したのが、またもや初披露となる曲「シュークリーム」。7月1日から配信リリースが決まった新曲で、グリコ『ポッキー』のCM曲としてオンエアされる予定だ。「春風」のカップリング曲「愛するということ」を含めた3曲の弾き語りから、このツアーの間で培ってきた経験に基づく自信のようなものも感じられた。

後半は、ギターとキーボードのサポートメンバーが加わり、「Lovely Country」から始まった。“私のバンドにはパーカッションがいません。みなさん、私のパーカッションになってくれますか?”と呼びかけ、観客もハンドクラップで参加。会場の一体感がより強まった瞬間だった。「変わらないコト」からはドラムとベースのサポートメンバーも復帰し、夏の爽やかな風を感じさせる「TO:Summer」、タイトルどおり暖かな雰囲気を作り出す大ヒット曲「春風」と続いていく。インディーズ時代の代表曲のひとつ「Tell me what you want」からは「It’s you !」「CREATURE」とロック色の濃い曲が続いたが、ここでエレキギターが登場! “パンダ”と名付けられた白黒カラーのSGは今回のツアーで初披露となるギターだ。アルバムインタビューの時に“(「CREATURE」は)エレキギターを弾いちゃおうかな!ってぐらいロックな曲になりましたね。エレキ持ってないですけど(笑)”と言っていたが、その時からすでにライヴでエレキを弾くという計画はあったのだろう。ラストは、アルバムのリード曲「カラフル」。Rihwaもファンもみんながタオルを回して、全員が笑顔で本編が終了した。

アンコール。“在日韓国人の4世としてこの世に生まれて、そんなに意識してなかったんだけど、留学とかして在日というのを突きつけられて。でも、国籍とか目の色とか肌の色とか、そういうものを全部すっ飛ばしてくれるツールがこの世にはあるんだと思って...”とアルバムのタイトルであり、今回のツアータイトルでもある“BORDERLESS”に込めた想いを話した後、アルバムの最後を飾る「bird」を歌った。留学した時、両親がどんな気持ちで送り出してくれたのかを考えて書いた曲。Rihwaにとって大切な曲のひとつだ。そして、コール&レスポンスで盛り上がりを見せた「whatever」でツアーファイナルが幕を閉じたが、MCで“Rihwaの歴史は始まったばかりだ!”と言っていたとおり、次に向けての第一歩を踏み出した記念すべき日となった。これからどんなことを見せてくれるのか期待して待つことにしよう。