ないものねだり

この雨は誰にも 等しく降るというのに
わたしは君よりも 濡れてしまう世界だ

瞳の大きさや 肌の白さなんかじゃ
美しさの半分も 説明しきれないのに

愛嬌が足りないって 勉強は意味ないって
言われては傷つき
馬鹿なフリしたんだ 上手に生きたかった
うらぶれて
雲ひとつないような青い空
うらやましいな。

君になりたくて 泣いていた
でもなれないことも 知っていた
そう 物語の主人公はいつでも…
ねぇ 君には君の理不尽が
あることもちゃんと 分かっている
だから わたしも愛してみよう
ただの「わたし」を

伸ばしたこの髪を ひどく短くしようとも
邪魔な空気抵抗は 変わるわけもなくて

才能という言葉が 見えなくしてたんだ
ひたむきな努力も
勝手に抱かれた 幻想に囚われちゃ
やるせもない
疲れ果てた君の弱さごと
抱きしめたいな。

生まれたまま ありのまま
胸張って生きていられたら
そう 物語の主人公はいつでも…
ほんとに大事なことは何だ?
ありのままでいることなんだ
もっと 好きになれる 気がする
ただの「わたし」を

きっと 一人ひとり 違うのは
誰も 他の誰でもない 自分を生きるため

いつだって
君になりたくて 泣いていた
でもなれないことも 知っていた
そう 物語の主人公はいつでも…
ねぇ 君には君の理不尽が
あることもちゃんと 分かっている
だから わたしも愛してみよう
ただの「わたし」を
どんな「わたし」も
×