ローファー

あゝ もう厭って云われる迄
氣付けない襤褸々々に履き旧した革靴
羽交い締めちっくに擁き〆た
獣でも無いのに 依存と愛の真中へ

穢れたんだ 嘗てはもう少し
綺麗な眼をして凡ゆるモノが素敵だった
今と謂えば 総てが容疑者に
視えてしまうほど 愚かを経て
黝ずんでしまった

往き過ぎた情が醸す違和感
魅力にも善く似た偏執狂みたい
誰も誤謬に触れてはくれない
善かれ 合意の上と管を巻いても
君の心臓には 鈍痛の雨が降り注いでは
涙尻目に其の髪を濡らしていた

事 何も識らずに まだ業煮やして
また伸う伸うと生きていくんだろう
底で剥がれて 手當ても虚しい壊れ方
したまま 何も出来ずに あゝ

穢れたんだ 僕等は 綺麗なもの 後回して
忘れてしまうんだ あゝもう厭って
云われる迄 氣付けない
襤褸々々に履き旧した革靴
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