2023年5月10日に“polly”がEP『Heavenly Heavenly』をリリースしました。昨年メンバーチェンジを経て新体制となったpolly。Keyboad/Chorusの志水美日を迎えて初の作品となります。そして、今作のリリースを記念して東名阪リリースツアーの開催が決定。各公演ゲストを迎え、6月7日東京WWW Xには“KOTORI”の出演も決定!
さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“polly”の越雲龍馬による歌詞エッセイをお届け。今回が最終回です。綴っていただいたのは今作の収録曲「Snow/Sunset」と「K」と「Kikoeru」にまつわるお話。それぞれの楽曲に込めた想いを明かしてくださいました。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。
前回に引き続き、今回も5月10日にリリースしたEP『Heavenly Heavenly』収録曲について。
この曲、実は前作『Pray Pray Pray』制作期間に出来ていた曲でした。
とある日の渋谷駅銀座線。ホームから見えるビル街、多数ある高層ビルの隙間から見えた不気味なほどに赤く幻想的な夕日。いつかあの人と観たそれに似ていて、涙するのを堪えられなかった。
渋谷という街に立つと、いつもひとりを感じる。沢山の人の中にいる時の方がひとりを感じる。それも相まったせい。
手に入らないものを思えば思うほど、それの大きさは増していき頭から離れなくなる。
不自由さに直面した時に、これまでどれだけ自由に過ごしてきたのかを見せられる。
そんな曲かなと思う。
M4.「K」
この曲は母に向けて書きました。
幼少期、僕はよく祖父母の家に預けられていました。というのも兄の身体が弱く、よく入院しており、母が付きっきりだったからです。
今ならそれを理解し、沢山の要因を受け止めることが出来る。あの頃の自分はそうじゃなかった。憎しみのような怒りのような、かなしみではなく、身体中の血が沸騰するような気持ちでいた。
そんな感情を抱いていた事をいまは申し訳なく感じ、かなしくなった。
いま、僕の目の前から居なくなってしまったら、僕は大きなかなしみで立ち上がる事は出来ないでしょう。でも、仮に僕が居なくなった時はそんな気持ちになって欲しくない。そうなるのなら忘れられてしまっても構わないと素直に思う。
少しだけ、愛情について理解できるようになった気がしています。
それは、母や父、兄弟、愛犬が、ずっとそれらをくれたからだと。
小さくて弱いかもしれないが、いまならそれをあなたに渡せます。そんな歌です。
M5.「Kikoeru」
連日の雨、その雨が上がった日
道路の脇に大きな水溜まりが出来ていた。
その水面に反射した光にあなたを想う。
偽善なのか、本心なのか
自分が誰かを想う気持ちは。
ここで走り終えた後、いつかまた並んで歩けるようにと。
言葉にできない感情、それが聴こえたり見えたり香ったりするのが音楽だなと。
その音楽がこの曲にはあります。
この曲がこの作品の最後の曲で本当によかった。
<polly・越雲龍馬>
<polly・越雲龍馬>
◆紹介曲
「Snow/Sunset」
作詞:越雲龍馬
作曲:越雲龍馬
「K」
作詞:越雲龍馬
作曲:越雲龍馬
「Kikoeru」
作詞:越雲龍馬
作曲:越雲龍馬
◆EP『Heavenly Heavenly』
2023年5月10日発売
<収録曲>
01.MORNINGRISE
02.ごめんね
03.Snow/Sunset
04.K
05.Kikoeru