誓って。

 2023年3月14日に“リリィ、さよなら。”がNew single 「指輪」をリリースしました。今作は自身初のウエディングソング。切なく、儚く、胸がチクリ。という聴くだけで良い意味で落ち込める楽曲を多数輩出してきたリリィだが、アーティスト本人の心境の変化で「そろそろ幸せな曲も歌いたい」と作られた楽曲。また、今作をモチーフに書き下ろされた短編小説『世界最小のプロポーズ』(著:朝倉千秋)もweb上に公開中。
 
 さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“リリィ、さよなら。”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「指輪」にまつわる想いです。「誓い」とは自身にとって、誰かにとって、どんな意味を持つものなのか。年齢や経験を重ねた今、改めて「誓う」ことに向き合いたどり着いた、ひとつの答えを歌詞と併せて受け取ってください。



― 誓う ―
 
って日常じゃなかなか体験しないことだ。
そもそも誓うほど大事なことなどそうそうないし
誓うって行為そのものがどうしても重く感じてしまう。
 
約2年ぶりに新曲をリリースした。
しかも「誓い」の歌、すなわちウエディングソングだ。
この歌を作ったのは実は高校1年生の頃、親戚の結婚式である。
「結婚ってこんな感じかなあ。」と
まだろくに恋愛したことも多くなかったのに想像して作った。
長らくリリースしない、できないまま30歳になった。
ではなぜこのタイミングで? という話だが
ようやくありのままの自分で唄える気がしたからだ。
 
サビで
 
Yes 誓うよ
 
と高らかに歌うのだが、リリースに至るまでは
なんだかその歌詞がしっくり来ないまま歌っていた。
 
しかし三十路に差し掛かった今
周りの友人達は軒並み結婚をし、自身は独身だが沢山の大事な出逢いと別れを経験してきた。
そんな今、改めて「誓う」ことについて向き合ってようやくリリースを決意した。
 
様々な誓いがある。
幸せなこと、結婚。
それ以外にも、何かを守るための誓い。
例えば権利を守るための誓い、誰かを守るための誓い
自分を守るため、別れを守るための誓い
それらのことを考えた時に
「誓い」は大事なものを守るためのものだと
自分の中で答えが出た。
 
誓いとはそれだけに責任を伴い
重く、覚悟のいる事であるのだ。
 
これからの人生で私も
この記事を読んだ方も「誓う」ことが増えてくるだろう。
その時に「自分は何かを守るんだ」と思ってほしい。
そしてもしよければこの歌を「誓う」ことを応援する歌として聴いてほしい。
 
1番身近なところではやはり結婚だ。
結婚式、結婚パーティー、ぜひ流してほしい。
自分の守りたい人と聴いてくれたら私も幸せである。
 
この文章を読んだあなたが
これから先、何年でも何十年でも続く
シアワセな誓いを交わすことを願って。

<リリィ、さよなら。>



◆紹介曲「指輪
作詞:滉紀
作曲:滉紀