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今日のうた

イチオシ!

歌ネットのインタビューから“作詞論”を一挙ご紹介!

どうしても忘れられないもの、
拘ってしまうもの、深く愛してしまうもの。
そういうものこそが扉になる。
(宮下奈都『スコーレNo.4』より引用)


 この言葉はきっと音楽にも通じること。これまで歌ネットではインタビューや特集でいろんなアーティストの“作詞論”をお届けしてきました。そして、その“作詞論”とは、言わば歌詞の【扉】ですよね。何を忘れずに、何に拘って、何を深く愛し、歌詞を生み出しているのか。今日のうたコラムではそんな様々な【扉】を一挙、ご紹介いたします!

あんまり使いたくないのは“綺麗な言葉”です。たとえば「一人じゃないよ」とか。娘が産まれたからこそ、今は“一人じゃない”と心から思えるんですけど、昔は「何言ってんだ!一人だよ!どうせ他人は他人だし、自分のことが一番なんだよ!」って思ったりもしたんですね(笑)。だから、いわゆる応援歌に使われそうな言葉は苦手かもしれません。なんか胡散臭く感じちゃって。必ず自分が実感できる言葉を使っていますね。
(2018年12月 大塚愛)


自分に正直に歌詞にしていく。そのときの想いと向き合っていく。それがあとで振り返ったとき、一番気持ちよいですからね。なるべく背伸びをせずに、今の私の等身大で伝え続けていきたいなと思っています。
(2018年11月 絢香)


昔から言っているのは、その歳の自分たちの身の丈にあった言葉を紡いでいこうということですね。僕が歌ったとき、それがあまりにも背伸びをしていたり、違和感が感じられたりしたら、歌に説得力が出ませんし…。だから僕らは応援ソングを作ったとしても、歌詞に「頑張れ」って書いたことはほとんどないんですよ。なんか…まだ自分たちが頑張らなきゃいけないのに、人に頑張れっていっても説得力がないだろうなと思って。あと「世界平和」みたいなことも書かない。きっと僕らはそこまで追いつかないなって。
(2018年3月 スキマスイッチ・大橋卓弥)


やっぱり自分が一番のお客さんなので、自分が読みたい歌詞、自分が感動できる歌詞を作るように心がけています。昔から「どうしてもっとこういう気持ちを歌った曲がないんだろう」とか「こういう曲があったらいいのになぁ」という思いがあったので、そこに届く理想の言葉を探しています。誰かのためにとか考えてたら絶対届かないと思うんです。まずは自分が満足して、これが最高だと思える歌詞じゃないと歌えないですね。
(2015年9月 クリープハイプ・尾崎世界観)


 それぞれ伝え方は異なりますが、彼らが大切にしている【扉】とは【実感】だと言えるでしょう。「誰かのために」というその前に、自分が実感できなかったり、背伸びをしていたり、違和感を抱いたりする歌詞は、説得力がない。それに自分が感動できない歌詞が誰かに届くわけない。そうした拘りが作詞の【扉】になっていることがわかります。

当たり前なことですけど、人にちゃんと伝わるかどうか考えることですね。最近はそれがもっと顕著になってきています。誤解される言葉ではないか、説明が足りないのではないか、いろんな可能性を想定して、自分が思っていることがちゃんと聴き手に伝わるためにはどんな単語を当てはめたら良いのかすごく考えながら作っています。
(2015年10月 米津玄師)

日記でもないし、感情を発散するわけでもないし…。私にとっては多分、歌詞はニュースの原稿と一緒です。ニュースの原稿には、それを聞いてくださった方が知りたい情報がたくさん詰まっていますよね。だから内容をより理解してもらうために、どうやったらわかりやすく的確に伝わるかという工夫が絶対に組み込まれていて、それと同じだと思います。歌詞にも、気持ちとか風景とか物語を届ける役割があるので。
(2017年6月 Uru)

僕が曲を書くときに一番大事にしている気持ちって、なんか…洋服屋さんで好みの服とか、良い色の靴とか、被ったことのない帽子を見つけた瞬間に生まれる「何これ!」っていう感覚なんですよね。キュンッ…!みたいな(笑)。だから聴いてくれた人の心に「キュンッ!」とか「スカッ!」とかって気持ちが生まれればいいなって思っています。
(2018年10月 高橋優)

やっぱり聴いてくれる人を考えて歌詞を作るということを一番大切にしているので、こう…ちょっとでも誰かが傷つくような言葉には、気をつけるようにしていますね。いろんな角度から見た時、傷つく人がいるかもしれない言葉。物事の見方ってものすごくたくさんありますし、自分が見えていないところ、見落としてしまっているところもまだまだあると思います。でも僕は、音楽は人を“救う”ものだという気持ちが強いからこそ、少しでも誰かが傷ついたりしない言葉とか表現、伝え方を選ぶようにしていますね。
(2018年1月 androp・内澤崇仁)


 一方で、どうやったらわかりやすく人にちゃんと伝わるか、聴いてくれた人の心に「キュンッ!」って気持ちが生まれるか、誰かが傷ついたりしない言葉や表現になるか、一番に【聴き手の心】を考える【扉】もございます。もちろん彼らも【実感】は大切にしているはずですが、何よりまず【聴き手の心】というフィルターが欠かせないのです。

自分が<あたし>を好きかどうか。どんなに世界中の人が「クソだ!」って言っても、私は誰よりこの歌詞の良さ、この女の子の良さをわかる完成度のものにするということはポリシーですね。(中略) 私は<あたし>の一番の味方です。だからこそ歌うときには<あたし>になりきることができるし、大事に歌えるんだって思いますね。
(2018年9月 コレサワ)

俺は曲の中に、その人が生きていて、血が通っていないと嫌なので、最初から最後まで主人公が怒らないような歌詞を書きたいんですよね。(中略) 途中まで「なんだこの歌詞、誰が書いたんだ?」って感じなんですよ。でも、悩んで悩んで、たとえば1番と2番のAメロとBメロをひっくり返してみたり、そういう工夫で急に血が通ったりするんです。ブワーッと。一気に曲のなかの主人公の全身の血管に血が流れる感覚というか、その人が生まれる瞬間というか。いつ頃からなんだろうこんな感覚を持ったのは…。でも自然とこうなっていったんですよね。だから血が通うまで書き続ける、頑張る、諦めない。
(2016年12月 back number・清水依与吏)


 自分でも聴き手でもなく、歌の【主人公への愛】が最大の【扉】になっている、コレサワや清水依与吏の言葉も印象的。自分の分身のようでもあり、知らない誰かの分身のようでもある主人公を一番に愛するのは【実感】と【聴き手の心】を大切にすることの狭間にある拘りではないでしょうか。その【扉】の先にあるのが人肌を感じる歌詞なんですね。

物語の流れや言葉の意味を重視しすぎた作詞をすると、そのメロディーに対して一番良い音のワードを当てはめられなかったりするんですよ。歌詞はすごく素敵なのに、このメロディーに乗せるとすげぇダサく聞こえる、みたいなものって歌を殺してしまっていると思うので。だから歌詞も大事なんですけど、やっぱり僕はどちらかというと音の聴こえ方をより大切にしていますね。
(2018年1月 ゴールデンボンバー・鬼龍院翔)

(歌詞を書くことは)色をつけることですね。土台となる線を鉛筆で書いて、それを彩っていくことが作詞なのかなって。日本の歌謡曲ってその時代のことを知らなくても、歌詞によって景色にしっかり色がついて聴こえるものが多いと思います。だから歌詞がないと、僕は曲がモノクロに見えるんですよね。
(2016年10月 フレデリック・三原康司)

昔からずっと、言葉のハマリとか語感とか、韻を踏むこととか、メロディーやサウンドに対する発音の気持ちよさというのは一番大切にしています。その中でメッセージをバランスよく込めていくので大変ではありますけど、いろいろ言葉を殴り書きながら少しずつ作っていくんです。だから歌詞を書いている時は、大体イライラしてますね(笑)。
(2016年2月 KANA-BOON・谷口鮪)


 過去のインタビューを読み返してみると、他にもこんなにもたくさん歌詞作りの【扉】があることに気づかされます。2019年、平成もあと数ヶ月で幕を閉じますので、歌詞愛好家のみなさんはこの機会に改めて、それぞれのアーティストの“作詞論”をお楽しみください!きっと、より深い歌詞の楽しみ方ができるはず…!